2015年4月Vol.34

こんにちは、サクライです。もう入社5年目です。就職する前は憂鬱でたまらなかったのですが、最近、心の底から「働いてよかったなぁ」と思う事ができたので、少しお話させてください。

 

飽きっぽい私が最も長く続けられている趣味、それは読書です。母曰く、私は立つのも喋るのも遅かったのですが、本が読めるようになるのだけは早かったそうです。1番最初にハマった「ぼくは王さま」から始まって、小学時代は「赤毛のアン」、中学時代は「村上春樹」、高校時代は「夏目漱石」、大学時代は「遠藤周作」、社会人になってすぐは「谷崎潤一郎」と、いろんな作家さんにお世話になってきました。

 

好きな作家さんが変わるのは嬉しいものです。たとえば、小学生の時に初めて村上春樹を読んだ時は、良さが分かりませんでした。中学生になってから読み返したら面白くて、「うん、私は青春時代に入ったのだ」と思いました。
中学生の時に初めて夏目漱石を読んだ時も、良さが分かりませんでした。高校生になってから読み返したら面白くて、「うん、私も自我と孤独に苦しむようになったのだ」と思いました。以前は分からなかった本が面白くなるという事は、まさに“成長”を感じる尺度です。

 

そして今、社会人5年目になった私がどっぷりハマっているのが、塩野七生さんの「ローマ人の物語」です。タイトルに反して内容は物語ではなく、ひたすら歴史の記述が続きます。文庫で全43巻。(ちなみに今は12巻を読んでいます)

 

ヨーロッパの歴史の根幹を知りたくて手をつけたのですが、読んでみると、なんとビジネス書として面白い!!
たとえば、ある天才的な武将がいて、部下にも慕われています。しかし彼の下に一軍団をまかせられるほどの部下は育たなかった。すると、局地戦には勝てても全体的には勝てないんです。彼が率いる軍しか勝てないから、軍を分散させて広地域で戦う事ができないのです。ビジネスのリーダーにも同じ事が言えます。

 

たとえば、ある時ローマは画期的な統治システムを確立します。それによって近隣諸国と仲良くしながらどんどん領地を広げていくのですが、時が経つと、そのシステムが社会の弊害を生むようになります。作った当初は"善"だった仕組みが、状況が変わると"悪"になる。これも会社と同じです。あえて悪い仕組みを作る人なんていなくて、いつだって私達はできる限りベストな仕組みを作ります。しかし、時代が変われば仕組みも破綻していくのです。
 

最近の大きな例だと終身雇用や年功序列が挙げられますが、日常業務の中でもよく見られる現象です。
寝食忘れるほど「ローマ人の物語」が面白いのは、仕事と会社を知ったからだと思います。
学生時代の私では、きっとこの面白さは分からない。
以前は分からなかった本の良さが分かるなんて、あぁ、就職した甲斐があるなぁ♪♪♪

34.png