2023年7月Vol.124 サクッと小噺

※小噺は過去分を随時アップしております。内容に時差がある場合もありますが、是非ご覧ください。

いつもお世話になっております。
おかげさまで、先日、第二子を出産しました。「夜もなかなか眠れないでしょう」とか「まだ一日一日が辛抱の時期だから無理しないで」など優しい言葉をかけていただくことが多く、それはその通りなのですが、何を隠そう、実は私は出産が好きです。
好きなのは出産だけで、妊娠期間も産後しばらくの期間も好きではありません。
もちろん妊娠も産後も
ありがたいしおめでたいし、支えてくれる方々に感謝してもしきれないのは大前提です。ただ個人的に、妊娠や産後が好きかと問われると、その期間は身体的苦痛が精神的幸福を上回る、というのが実感です(逆の人も沢山います)。ただ、出産だけは好きです。
心拍がバクバク上がって、
血流がギュルギュル速くなって、骨盤がバリバリ開いて、下半身の関節がメリメリ割れて、胎児がグルングルン旋回しながら降りてくるあの感覚・・・!痛いです。痛いですが、怪我や病気や手術の痛みとは違う痛みでした。自分の体が変態していく感じです。

昆虫の変態はちょっとイメージが近いです。幼虫やサナギの背中が割れて、中から成虫が出てくる様子をTVなどでご覧になったことはありませんか? アレです。

もっと正確に言えば、エヴァンゲリオンが暴走モードに入った時に、肩を突き破って新たな腕が生えてきたり、エヴァンゲリオンがビーストモードに入った時に、背中を突き破って角が生えたりする瞬間、それが私の実感に最も近いです。本人にも制御できない爆発的な力が起こって、体を突き破って何かが出てくる・・・。
出産中「いま私の下半身がエヴァンゲリオン!!!」と思いました。

すみません、もう少しオタクトークが続きます。私がエヴァンゲリオンなら、助産師さんはミサトに見えてくるし、ドクターはゲンドウに見えてきます(2人ともエヴァンゲリオン組織の幹部)。
エヴァンゲリオン始動時の聴き慣れた音楽まで聞こえてくるようです。

出産は死ぬほど痛いとよく聞くし、痛かったが赤ちゃんを見たら吹っ飛んだという感想も聞きますが、私のような感想はあまり無いようです。
出産経験のあるオタク友達に「下半身がエヴァンゲリオンみたいじゃない?」と聞いたら「あんたバカじゃない?」と返されました。でも、私が特殊な体という訳でもありませんから、きっとどこかに「言われてみればそうかも」という方もいるでしょう。
「痛みよりも、赤ちゃん誕生の喜びよりも、自分の体の変態が愉快だった」というママが。

ここまで面白おかしく書きましたが、出産は母子ともに命がけです。日本は妊産婦死亡率が低いとはいえ0ではありません。
普通分娩でも無痛分娩でも帝王切開でも何でもいいから、どうか母子ともに健康でありますように。
全国のママとベビーにエールを送ります。