2024年7月Vol.136 サクッと小噺

※小噺は過去分を随時アップしております。内容に時差がある場合もありますが、是非ご覧ください。

≪アイスの季節≫
あぁ〜暑いですねぇ〜。アイスが美味しい季節です。
私の最初のアイスの記憶は「パッキンアイス」です。凍らせて半分に折るアレです。呼び名はチューチューアイス、チューペット、ポッキンアイス、棒ジュース、カンカン棒など、様々なようですが…。真ん中で半分に折って、どっちが大きいかで妹と喧嘩をしたものです。きっとアルアルな思い出ではないでしょうか。
私の両親は学生結婚で、父は社会人1年目にして扶養家族2人を養い、その3年後には妹も産まれたので、我が家の台所はいつも火の車でした。
六畳二間に小さな台所がついた木造アパートに四人で住んでいました。そんな我が家にとって、アイスといえばパッキンアイスしか選択肢はなかったのです。清涼菓子はパッキンアイスしか知らないから、夏はパッキンアイス

一番美味しい食べ物だと思っていました(笑)。
父は真面目に働き、母は爪に火を灯して…というのは冗談ですが、少なくとも真冬でも台所の蛇口からお湯は出なかったので、しもやけあかぎれはあったでしょう…子供達を育て、サク家は少しずつ裕福になりました。おかげで、小学生の頃には生協でちょっとお得な箱入アイスが買えるようになってパッキンアイス以外のアイスを知り、中学生の頃にはコンビニで1人ずつ違うアイスを選ぶ楽しみを知り、高校生の頃にはサーティーワンで友達とキャピキャピ騒ぎ、大学生の頃にはハーゲンダッツとアイスの頂点を極めました。
アイスはサク家にとって象徴的な食べ物で、今でもアイスを食べるときは「我々は成り上がった」「我々は成功者だ」という会話を両親と交わしています。

そんな成り上がり一家で育った私が、大人になった今、一番好きなのは、シャトレーゼのアイスバーです。
せっかくハーゲンダッツまで成り上がったのに!という声も聞こえてきそうですが、ちゃんと理由があるのです。今は1才児と4才児と一緒に暮らしているので、家で自分の両手が空く瞬間はなかなかありません。よくて片手です。
なので、両手が必要なカップアイスより片手で食べられるアイスバーが食べやすいのです。
また、私がアイスを食べ始めると4才児は「ぼくもー!」と冷凍庫からアイスを取り出すし、1才児は私が食べているアイスそのものが欲しくて突進してきます。そのため、4才児でも食べやすいサイズ、かつ、1才児にアイスを握り潰される前に私が食べ切れるサイズが良いのです。
だからちょっと小さめが◎シャトレーゼのアイスバーは形といいサイズといいピッタリです。安くて美味しくて種類も沢山あって、本当に楽しい♬
そんなある日、スーパーでパッキンアイスを見つけたので「子供はコレから始めなくちゃね」と子供達のために買いました。
しかしなんということでしょう。うちの子供達は食べないのです!母親である私がシャトレーゼのアイスばかり食べて、その時に彼らも一緒に食べていたばっかりに、幼児のくせに贅沢な舌を育ててしまっていました。私の両親が子育てしていた頃に比べて、共働きの今の我が家が裕福なために起きた弊害です。
うちの子供達はパッキンアイスを食べないだなんて教育的に良くない!

今年の夏もアイスをいろいろ食べたいと思います。