名監督
こんにちは。
本日はコミュニケーションセンターの関がお送りします。
先日、友人の結婚式に行ってきました。
小学生のころから7年間、野球部でショートとサードのコンビを組んできた友人です。
中学生時代の野球部には名物監督がいました。
その監督は、大学時代に柔道の特別強化選手に選ばれたという華々しい経歴を持っていました。
にも関わらず、野球部の監督。もちろん、野球に関してはズブの素人です。
なぜ柔道部ではなく野球部の監督なのか、誰もが首を傾げていました。
野球経験者なら分かると思うのですが、試合前のノックは監督の腕の見せどころです。
特に難易度の高いキャッチャーフライを、真上に高く昇っていくような強い勢いで打てると、
ギャラリーから歓声が上がり、尊敬の眼差しで見られます。
しかし、我らが名物監督は周囲の目も気にせずに手でボールを上に放り投げていました。
とにかく野球が苦手な監督でした。
でも、監督として劣っていたかと言えば、そうではありませんでした。
確かに野球の技術や知識では小学生から練習をしてきた私たちの方が遥かに上でした。
それを十分にわかっていた監督は、技術指導は一切捨てて、柔道で培った精神的な指導をしてくれました。
友人の結婚式で監督が短いビデオメッセージを送ってくださいました。
元々クマのような巨体でしたが、スクリーンに映し出された監督は10年前よりさらに大きくふくよかになっていました。
監督は無言で、大きな手を使って耳を触りました。それは監督が大好きだった送りバントのサインです。
『いいか、人生は送りバントだ。これから色んな困難があるかもしれないが、
お互い送りバントの精神で夫婦仲良く生きていけ。そしてツキを逃すような事は絶対にするな。いいな!』
監督はいつまでたっても、野球が下手でも、私が社会人になっても、
私にとっての野球部監督だな~と改めて思いました。
心があったかくなりました。
ちなみに、花嫁はめちゃくちゃ美しい人でした。
新郎の友人も幸せそうな顔をしていました。
いいなぁコノヤロー、でも、おめでと~。