それでもスキーが好き
もうすぐ冬も終わり、春になりますが、ウィンタースポーツネタを制作の竹内がお届けします。
二十数年も前の話ですが、スキー全盛期、ゲレンデが大変込みあっていることを嫌った私は仲間たちと別れてひとりコブコブの急斜面に。
ゲレンデ中央には大きな木があり、そのゲレンデの象徴となっています。
コブで弾き飛ばされた私はバランスを失い、その大きな木に衝突しました。
胸を強打し、口の中は切れて血を吐いてしまった私はしばらく動けずにいました。
しばらくすると若い女性がボーゲンで通り過ぎたのですが、私を見た途端「きゃ~」と叫びながら逃げていきます。きっと私が死んでいると思ったのでしょうね。
1時間ほどその場で横たわっていたらやっと動けるようになり、自力で滑走し、皆と合流。経緯を話すとすぐに病院に連れていかれて診察を受けました。結果肋骨にヒビが入っており、その日のスキーは中止になり、皆で帰ってきました。
そして数年前、PDRのメンバーとスキーに行きました。
朝の1本目で急斜面を滑っているとビンディング(スキーと靴を止める装置)が壊れ、自身の板のエッジで膝を切ってしまいました。
ビンディングが壊れてしまったことで、その日はもう滑れないと覚悟した私は後輩社員のOに状況を伝えました。Oは「あっそうですか、じゃあ」と軽く答えゲレンデに消えて行きました。その後、足の痛みが思いのほか強いことに気がついた私がパトロール室に行ってみると、膝はパックリ割れて骨?軟骨?が見えています。
隊員の方が「すぐに病院で縫ってもらってください」と言うので私は同僚社員のKに状況を伝えると、
Kも「あっそう、そんでいつ帰ってくるの?昼までには帰ってくるよね?」
意外な返答に驚きました。
私は負傷した足で車を運転し、ひとり病院で縫合を受けました。
先生との会話
先生「付添いの人は?」
私 「いません…」
先生「ひとりで来たの?」
私「いえ、仲間数人と」
先生「ひとりで車運転してきたの?」
私「はい」
先生「かわいそうに…」
私「はい」
なんだかさみしくて、単語で先生と会話する私でした。
年を重ねると心配のされ方も変わるものだな~と思ったのを記憶しています。
(一緒に行ったPDRメンバーが冷たかっただけか?)
この話ですが、証拠があるのです。
名古屋の地元テレビ局、中部日本放送(CBC)の「イッポウ」という夕方の情報番組の「人気ゲレンデパトロール隊24時」というコーナーで、私が初期治療を救急隊に受けているところが放送されました。
リポーターの最後の言葉は、「彼はそのあと一人で病院に向かった」。
情報は正しく伝えられていました。