隣人愛

マスク担当の秋山です。

ピーディーアールは住宅街にあるため、会社の周りに飲食店があまりありません。車で幹線通りまで出ればたくさんのチェーン店が並びますが、1時間の休憩時間内に徒歩で行って帰ってこられる飲食店は、喫茶店とインドカレー屋さんの2店のみ。必然的に、車を持たない外食派のスタッフはこの2店のヘビーユーザーになります。

 

インドカレー屋さんは、ネパール人のおじさんが店主です。
何度か行くと、その人のいつものメニューを覚えてもらえます。
「日替わり・辛さ普通・飲み物はホットコーヒーね」とか、
「チキンカレー・甘口・ホットチャイを先に出すね」とか。

 

ちなみに私は
「カレーライスほうれんそうチキン・ライスハーフサイズ・激辛・アイスチャイ・シロップいらないね」です。ついでに「社長さん昨日来たよ。いつも一緒に来る女の人と、たまに来る男の人と3人だった」とか、「今年に入って初めてだね。元気にしてた?」「あなた、最近故郷に帰ってる?シズオカだったよね?」とか、接客の合間を縫って話しかけてくれます。激辛好きの私には、自家製の唐辛子ペーストや生唐辛子を分けてくれることもあります。

 

多くの常連さんの情報を覚えていてすごいなぁと思うのですが、さらにすごいことに、おじさん、人の名前を自分から聞くことはあまりありません。「あなた」「中国から来た背の高い女の子」「社長さんといつもよく来る女の人」「あなたと一緒によく来る女の人」どうやら完全に顔で見分け、頭の中で情報をくっつけているらしいのです。ネパールからやってきた彼にとって、のっぺり顔の日本人たちはさぞかし区別がつけにくいと思うのですが、聞き慣れない音の名前を覚えるほうが大変なのかもしれません。

 

そんな私、半年ほど前から身体とお財布の健康のために、手作り弁当派に転向しました。先日、弁当作りをさぼったので、久しぶりにカレー屋さんに行ったときのこと。

 

店に入るなり、
店主のおじさんがうっすら目に涙を浮かべて駆け寄ってきました。

 

「久しぶり!本当に久しぶり!急に来なくなったから、会社辞めたのか、体調崩したのかと、本当に心配していた。元気にしていた?ああ良かった!」

・・・なんか、心配させてごめんよおじさん・・・

 

「愛の反対語は憎しみではなく無関心」という言葉を思い出しました。
それから、お弁当を作るのが面倒な日は「おじさんに顔を見せてあげよう」という名目でカレーを食べに行くようになりました。

 

 

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