谷川あかね篇|1996年3月。P.D.R.に入社する。
パートではなく、正社員で採用されました。
入社して驚いたのは、小さな会社にもかかわらず、
きっちり会社を運営していることです。
P/LやB/Sもわからないのに経理を自前でやっていたり、
そのくせお茶くみ要員がいたり、
中枢スタッフが欲しいと思っているのに採用コストをケチったり、
給料を現金で配っていたり……
中小企業には、ヘンなところでヘンなルールがあるものです。
でも、この会社は私がイメージしていた中小企業とはまったくの逆でした。
新卒や中途採用を定期的に行い、ン百万円のコストをしっかり投資している。
社屋も大きくないものの、とても小ギレイにしている。
将来ビジョンもはっきりしている。
社員もパートさんも分け隔てなく、ちゃんと戦力として活用している。
入社してさらにこの会社の良さがわかったという感じです。
実は、私が入社した時、社員は社長の他に、男性2名、女性3名でした。
そこに、私と新卒の社員が二人加わりました。
新卒社員の男性は安達くんと言う名前だったのですが、
新しく出てきた仕事はほぼ全て私と安達くんの二人で切り盛りしていました。
求人広告に嘘はありませんでした。もう、任せられすぎ。
社長が来たと思うと「谷川さん、この販促考えてくれんか?」と一言。
販促内容からツール作成まで、すべて私が企画し、切り盛りしていかなければなりません。
ランチする時間もなく仕事をしていると、「頑張ってね」の言葉とともに、
パートさんの誰かがコンビニでパンを買ってきてくれたり。
オシャレなカフェでランチもいいけど、こういう瞬間もなかなかいいものです。
仕事は本当に大変でしたけれど、
辛いとか、辞めようと思ったことは、1度もありませんでした。