谷川あかね篇|~1993年。P.D.R.に出会うまで(1/2)
~時は遡って、2002年の話です~
私は、谷川あかねと申します。
あまり年齢は言いたくないのですが、仕方ありません。38歳です。
20代のはじめ、短大を卒業して入社したのは、大手上場企業でした。
ええ、普通のOLです。
仕事に生きがいを求めていたわけでも、人生を模索していたわけでもありません。
だから、いい人が見つかった時点で、何の迷いもなくすぐ結婚しました。
寿退社した後、
結婚相手の実家が事業を営んでいましたから、私も手伝うことになったんです。
事業といっても中小企業です。
でも、小さな会社だからこそ、前の会社にはない手応えがありました。
任され感があるんです。自分が必要とされているというか。
もちろん、経営者じゃありませんから、
実際に会社を動かしているわけではありませんが、
自分の手がける仕事の一つ一つで会社が変わっていく。
そんな充実感を得られた毎日でした。
ただ、私は離婚してしまったのです。29歳のときでした。
大きな転機です。描いていた未来予想図が真っ白になってしまったのですから。
強く思いました。
これを機に、自立した人生を歩んでいかなければならない。
新しい人生設計図を、これからは自分の手で描いていくのだ、と。