2021年3月Vol.97 サクッと小噺

※小噺は過去分を随時アップしております。内容に時差がある場合もありますが、是非ご覧ください。
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こんにちは、サクです。早いもので、来月、息子が1才になります。1年前、初めての出産を控えた私は、生来のガリ勉な性格から「夜泣き対策」やら「産後クライシス予防」などを勉強して、それなりに準備して息子を迎えたつもりでした。‥‥が、この1年間、なにひとつ思い通りにはいっていません。予想外の連続です。たいていは予想よりも上手くできない事ばかりですが、嬉しい予想外もありました。何をかくそう、私は出産が好きです。

 

「出産がわりと好き」と言うと、「痛くなかったの?!」と驚かれます。いやいや、もちろん痛かったです。でも過去にもっと痛いことあったよ、というのが率直な感想です。たとえば、頭の手術をしたときの方が50倍くらい痛かったです。タイで重度の熱中症にかかったときの方が3倍くらい痛かったです。

ヒザの脱臼をしたときの方が1.5倍くらい痛かったです。もちろん、痛みは個人差が大きいので、私と同じように開頭手術や熱中症や脱臼を経験された方で、「出産のほうが痛いわ!」という方もいらっしゃるでしょう。あくまで、私の場合は、出産のほうがまだ痛くなかった、ということに過ぎません。

 

痛みの程度うんぬんよりも興味深かったのは、出産の痛みは、手術や熱中症や脱臼の痛みとはまったく種類が違ったことです。下半身がバリバリと左右に分かれていく実感がありました。お腹から何かが(というか胎児が)グルグル回りながら下りてくる感触もありました。自分の体が割れて何かが出てくる・・・!
この痛みは、病気や怪我の痛みとは違います。想像ですが、昆虫が「変態」するとき、こんな痛みをともなうのではないかしらん、と思いました。

変態・・・幼虫が脱皮して成虫になる過程ですが、昆虫番組などでご覧になったことあませんか?アレです。

幼虫やサナギの背中が割れて、中から成虫が出てくる様子が、出産中の自分の状態と重なりました。おもしろい体験でした。痛いけど、変に気持ちよかったです。痛いけど、変な爽快感がありました。ちょっとクセになりそうです。

 

普通分娩だろうが、無痛分娩だろうか、帝王切開だろうが、母子ともに健康なら何だっていいと思います。私は陣痛誘発剤をつかって3日間かけての普通分娩でしたが、あの痛みが母性に繋がったとはまったく思いません(実は、出産直後は赤ちゃんに会えた喜びよりも、出産おもしろかった~という感想の方が強かったです)。ただ、単純に、出産は愉快な体験でした。妊娠も育児もシンドイ事はあるので、何人も産み育てる度量は私にはありませんが、出産だけなら年1回やりたいくらいです。

お産は母子ともに命がけなので、出産を茶化すことはできません。ただ、出産は痛いという話ばかり聞くのもどうなんだろう?と思います。マタニティ雑誌の体験記でも「死ぬほど痛かったけど、赤ちゃんを見たら感動の涙」という話ばかりです。「出産が面白くて、赤ちゃんが出てきてもそれどころじゃなかった」という体験記が1つくらい載っていてもいいのに・・・。
私は珍しいケースなのかもしれませんが、私が面白いと感じたということは、他にも面白いと感じる人はいるでしょう。そういう体験談も知ることで、妊婦さんの不安が少しでも減るなら良いではありませんか。

この瞬間も、日本中いろんな所でお産が行われています。どうか母子ともに健康でありますように。
お母さんも、赤ちゃんも、ガンバレー!

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