2022年5月Vol.110 サクッと小噺

※小噺は過去分を随時アップしております。内容に時差がある場合もありますが、是非ご覧ください。

こんにちは、サクッと小噺のサクです。そろそろ梅雨の足音が聞こえてきますね。 私は、天気の良い日は息子の保育園の送迎を自転車で行っているのですが、雨の日は12kgの息子を背負って、 おひるね用のお布団を肩にかけて歩いて行くので、すこし憂鬱です。服や布団が濡れると気持ち悪いですもんね。 カエルは雨の日も気楽でいいなぁ。

さて、半年ほど前、私にとってカエルはちょっと特別な生き物になりました。当時1才 6ヶ月だった息子が、 生まれて初めて(少なくとも私が気づいた限りでは初めて)、なにかを象徴的に理解した対象が、カエルだったんです。

息子は数冊の絵本を持っていて、そのうちの2冊に雰囲気の違うカエルが登場します。 ある夜、私はいつものように絵本の読み聞かせをしていました。お話が進んで、カエルがでてきた途端、 息子は立ち上がって、カエルがでてくるもう1つの絵本を取りに行ったのです。そしてカエルのページを 開いて、2冊のカエルを交互に指差しながら、「ねっ!ねっ!」と同意を求めてきます。 片方は濃い緑で片方は黄緑色なので色合いが違うし、片方はカエルらしくM字開脚で 片方は人間のように立っているからデフォルメの仕方も違うのに、 どちらも同じカエルとして理解している様子です。 親のほうから「両方ともカエルだよ」と教えた事はありません。 息子は、なにをもって、「カエル」を理解したのでしょうか。

翌日、図書館で家にある本とはまったく雰囲気の異なるカエルの絵本を借りてきました。 家にある2冊の絵本のカエルは裸でぴょんぴょん飛ぶ単純なかんじですが、 図書館から借りてきたのは、服を着て手紙を書いて悩んだりするアンニュイな雰囲気の カエルです。それを息子に見せてみると、「おー」と言いながら自分の2冊の絵本を出してきて、 やはりカエルのページを開きます。ここにきて私は確信しました。彼は初めて見る物でも、 彼にとって既知の情報と結びつけて理解していることを。 つまり、「物事を抽象的に認識できる=個々の事物から共通の属性を抜き出して 一般的な概念をとらえることができる」ということです。 おぉ我が子よ!まだママもパパも何も言えないくせに、なんと高度な思考を成していることか!

思考が発達していく様子を見るのは面白いです。息子もそのうち、カエルではなく友情や恋愛や仕事に関しても 「抽象的概念」と「一般的事例」を結びつけて考えられるようになるのかな。楽しみです。