グッバイ、夏
夏が終わり、秋が来る。
あたりまえの事ですが、夏との別れを惜しんでいる吉村英樹がお送りします。
私の故郷、グァムは常夏であるため、四季の変化を感じることがありませんでした。
帰国した当時はTシャツしか持ち合わせていなかったので、今でも衣替えのタイミングが分かりません。
春が来て、夏が終わると、秋が深まり、やがて冬が来る。
季節が移り変わる際、夏には特に“終わる”という表現が多く使われるのには理由がある気がします。
夏の思い出、真夏の果実、夏祭り、夏色など、ヒット曲の多くに“夏”が含まれているように、夏に特別な思いを持つ方は多いと思います。
私もその一人です。
グァムの夏休みは日本と時期が少しずれるため(6月~8月)、小学生の頃は、夏休みになると日本の小学校へ体験入学に来ていました。日本の小学校に通った事のない私にとって、ランドセルを背負って学校に通い、みんなで給食を食べ、帰りに駄菓子屋に寄るという生活はとても新鮮に感じました。
なにより日本にいる間は祖母の家に滞在していたので、おばあちゃん子の私にとって日本にいる間は天国にいるような気持ちでした。冷えたサイダーとチューペットという筒状のアイスが冷蔵庫にいつも入っていて、外で遊んだ後の火照った体を冷やしてくれました。
(ちなみに余談ですがこの半分に折る筒状のアイスは地方によって呼び名が変わるそうです。東日本ではポッキンという呼ばれ方もあり、関西にくるとチューチューとも呼ばれる事もあるそうです。)
24歳になった今でも、祖母の家は日本で一番落ち着ける場所です。
たまに帰って、まだ自分のためにサイダーが冷やしてあるのを見ると嬉しくなります。
皆さんにもきっと夏に対する特別な思いはあると思います。
秋が深まり、冬がやってきて、春が来て・・・そしてまた来年会いましょう、“夏”。