2022年2月Vol.107 サクッと小噺
※小噺は過去分を随時アップしております。内容に時差がある場合もありますが、是非ご覧ください。
赤い!可愛い!!甘酸っぱい!!! …といわれたら、何を思い浮かべますか? そう、苺です。毎年1月末〜4月にかけて、サク家の女三人(母57才、私34才、妹31才)は「苺探検隊」なるものを発足します。それぞれ遠方に住んでいるため、一緒に苺を食べる機会はあまり無いのですが、各自が己の地域性と家族形態と懐具合を駆使して片っ端から苺を食べまくって、その写真と報告書をグループLINEで発表するのです。
三人の中でもっとも恵まれた場所に住んでいるのは母です。彼女は埼玉県北部に住んでいるので、ちょっと北上すれば苺生産量日本一の栃木県に入ります。甘味と酸味のバランスが良い「とちおとめ」、果肉が柔らかい「とちひめ」、際立って甘くて赤い「とちあいか」、子供のげんこつくらい大きい「スカイベリー」、高級白苺の「ミルキーベリー」などなど・・・
全国に出回っている品種から、デリケートなため遠方に出荷できない品種まで、多種多様な苺を苺農家に買い付けに行くことができカフェ併設の苺農家も多いので、採りたて苺のパフェやパンケーキやアイスクリームにも事欠きません。
新婚、子なし、夫婦共働きの妹は、リッチな苺デートを満喫しています。ホテルで味わう1個3000円の苺パフェ、百貨店で買う1ホール1万円の苺タルトは、宝石と見間違うほどの美しさです。これらの苺そのものの味は、栃木の苺農家から買い付けてくる苺に比べると、同等またはやや下で、上回る事は無いそうです。
しかし!苺を引き立てるスイーツ要素のクオリティが、圧倒的に強いらしく、「苺の甘さを邪魔しない生クリームや、苺の冷たさを邪魔しないアイスクリームは、流石としか言いようがありません。本来なら生クリームは苺より甘いし、アイスクリームは苺より冷たいのに、これらを添えながら苺を主役として引き立てる(見た目だけではなく味の上でも苺を主役にする)のは簡単では無いと思うが、そのバランス感覚は流石のパティシエ。」と妹は熱弁します。プロの仕事に脱帽です。
小さな子供を抱える私の研究対象は、道の駅の苺、コンビニやシャトレーゼの苺スイーツ、ファミレスの苺スイーツ、です。道の駅には地域ごとに違う苺が売っていて、食べ比べると面白いです。硬め⇔柔らかめ、酸味⇔甘味、丸っこい⇔シュッとしてる、どれもそれぞれ美味しくて、これはもう好みでしょう。私はわりと硬め、やや酸味強くて、丸いけど尖っている王道の形が好きです(「とちおとめ」、「やよいひめ」、「あまおう」、「アスカルビー」)。
コンビニの苺スイーツも心躍りますが、全品を試してみて全体的にハズレが無いと感じたのはシャトレーゼです。安価なスイーツショップと侮っていましたが、スイーツに特化しているだけの事はあります。ファミレスは、苺も大した事はないし、生クリーム等も甘ったるいのですが、「どうしても苺パフェが食べたい!」と苺パフェ発作が起きた時に(どんな発作だ)、子供連れでも駆け込みやすい場所です。
三人とも真剣に取り組みます。毎年、活動開始時はワクワクしていますが、後半になると「苺以外のスイーツも食べたい」なんて文句を言いながら、苺を食べています。レストランやカフェやケーキ屋さんで他のスイーツを食べたくなっても、苺探検隊としては苺があるかぎりは苺を選ぶしかなく、そして今の時期は苺スイーツは絶対にあるのです。苺スイーツ市場は本当に巨大で、食べても食べても次が出てきます。
いい年をした大人の女三人の本気の遊び。今年も満喫します。
この記事を
書いた人
サク
歯ブラシ
シャカシャカ トルネ