2014年6月号Vol.24 2014年06月30日
こんにちは、サクライです。このまえ食中毒にかかりました。食中毒の症状は有名ですから、改めてここで述べる必要はないでしょう。食中毒にかかったら辛いのも汚いのも皆おなじ。ちゃんと快復したのだから御の字です。
ただ、つくづく悲しかったのは部屋の惨状。一人暮らしってツライなぁと泣けてきました。誰もご飯なんて作ってくれません。布団から手を伸ばして届く範囲に、アクエリアスのボトルやウィダーインゼリーが、中身がある物ない物とりまぜて散乱しています。
だらだら汗をかいても、なかなかパジャマを取り変える気力はわきません。汗かいて、冷えて、乾いて、また汗かいて…の繰り返しです。私はどんどん臭くなっていきます。自分の臭いに耐えきれなくなってついにパジャマを着替えても、脱いだものを洗濯する力はありません。袖や裾がベロンと裏返しになったまま床に放置されているパジャマや下着には何ともやりきれない哀愁が漂います。
さて、伏せっている間はずっと本を読んでいました。本は寝床でもトイレでも読めるので(しょっちゅう中断を余儀なくされるとはいえ)食中毒の間は重宝します。更にラッキーな事に、食中毒にかかる2日前、私はいろんな作家さんのいろんなジャンルの本を購入していました(太宰治の随筆、村上春樹の小説、北尾トロのルポタージュ、他多数)。これなら読み続けても飽きない!二日前の自分よ、ファインプレーだ!!こういう事は嬉しいですね。日頃の行いが良いからですかね。日頃の行いがもっと良ければ、食中毒にもかからなかったかもしれません。
その本の中に、江國香織さんの「冷静と情熱のあいだ」がありました。
ご存知、15年ほど前に大ヒットした恋愛小説です。コレがもう腹が立って腹が立って。本の中の人物に腹が立ったのは久しぶりです。
主人公はミラノに住む日本人女性あおい。マーヴという実業家に見初められ、彼の高級マンションで同棲しています。マーヴに「僕のテゾーロ(宝物)」と呼ばれてめちゃめちゃ大切にされていますが、彼女は大学時代の恋人が忘れられません。「元彼以外、私は誰にも心を開けない…。」
美しい街ミラノで、高級住宅に住み、美味しい物を食べて、恋人が買ってくれた肌触りの良いルームウェアを着て、その下には香水を振りかけた下着を身につけて、毎日ボーッと風呂に入って、それでも憂いを振りまくあおい。おい、ふざけるな。
こちとら風呂にも入れず、固形物が食べられず、臭いパジャマと下着を着て、六畳の和室で一人で寝てるんだ。
美しく健康で裕福なあおいよ、お前は何が不満なんだ?下着に香水って何だよ?笑っちゃうよ。
彼女と私の落差に思わず笑い出してしまいました。暗くて臭くて菌が蔓延している六畳部屋で一人で爆笑している自分がおかしくて、更に笑いに拍車がかかり、最後は涙まで流していました。いま思うとコワイ…。
言うまでもない事ですが、この小説が悪いわけではありません。名作だから大ヒットしたのでしょう。ただ、食中毒の私には受け入れられなかっただけです。普段は江國香織さんの小説は好きです。
今後しばらく食中毒リスクが高い時期が続きます。皆様もどうぞお気を付けください。
「下着に香水を振りかけてみようかなぁ」と思いつつ、未だできていないサクライでした。
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2014年5月号Vol.23 2014年05月30日
こんにちは、サクライです。最近ちょっとギモンなのですが、“子育てが終わった母”という人達は総じて変なのでしょうか。うちの母が特別変なのでしょうか。もう変すぎてつっこむ事もできないんです…。
私の母は48才にして子育てが完全に終わりました。私も妹も実家を出たので、もう経済的にも家事的にもいっさいの面倒はかかりません。それをきっかけに、(もともと変な人だったのですが)母のタガが外れてしまいました。
ひどい点を挙げればキリがないのですが、紙面の都合でお菓子ネタだけ…。
このまえ実家に帰った時の事です。夕飯時、母が「ビュッフェに行こう!野菜いっぱいの健康ビュッフェがあるんだよ♪」とテンション高く提案してくれました。そこで父・母と私の三人で車で出発したのですが、後部座席の母は一人で煎餅の袋を抱えて、ずっとバリバリ食べ続けているんです。・・・お母さん、今まさにビュッフェに向かっているのに、なぜ煎餅を食べる??せっかく健康ご飯を食べても、直前にお菓子を食べちゃったらイミないんじゃ・・・。
さて翌日。母は仕事と趣味で一日中出歩いていて、父と私はガーデニングをして呑気な一日を過ごしていました。
夜は父と私とで餃子を作ったのですが、ちょうど食べ終わった頃に母が帰ってきました。
母 「お腹すいたー!」
私 「餃子あるよ」
母 「えぇっ、ズルイ!!」
父 「だからアンタの分もあるって」
父はさっそく台所に立ち、母の分の餃子を焼き始めます。母は「早くしてよー、お腹すいたよー」と言いながらクッキーを食べ始めました。だから、なんでアナタは食事の前にお菓子を食べるの?目の前でアナタの餃子を焼いてくれている旦那さまに失礼ではないかね。
さてまた翌日。父は会社の食事会があったので、母と私は居酒屋で夕飯を済ませました。それから温泉に行く事にしたのですが「いったん家に帰って歯磨きをしてから行けば、温泉から帰ってきてソッコー寝れる」と母が名案を出します。
私達はわざわざいったん家に帰り、歯磨きをして、パジャマも持参して、準備バッチリで温泉に行きました。温泉で身も心もふにゃふにゃになってすっかり眠くなった私達は「行く前に歯磨きをしたのは正解だ」「このままベッドに直行できるなんて最高だ」と言い合いながら帰ってきました。
さて家に着くなり、母はおもむろにポテトチップスの袋を破ると、バリバリバリッと三口ほど頬張ったんです。
えぇ―――っ?!なんで?なんでっ?!今さっき「歯磨きして行ってよかったね」とあんなに言っていたのに!
ポテチを三口食べた母は、開けっぱなしのポテチの袋を抱えたまま、上着も脱がず(上着の下はパジャマ)、ごろんとリビングに横になってぐーぐー眠り込んでしまいました。この間わずか1分。
この時の私の驚きといったら! 母の予想外すぎる行動になすすべもなく、ただ茫然と眺める事しかできませんでした。・・・さ、さっきまでの会話は何だったんだ。
帰って来た父に「お母さんが不思議すぎる」と相談すると、「俺はアレと二人で暮らしているんだぞ」と暗い顔で返されました。彼女に慣れた父曰く、「人間ではなく、動物だと思って接した方が良い」そうです…。もっとも母にも言い分はあって、「コレが私の真の姿だ!今までは母親役として抑圧されていたから好き勝手にお菓子が食べられなかっただけだ!」そうですが…抑圧がなくなっても、お菓子は好き勝手に食べない方が良いように思います。
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この文章はP.D.R.社員ブログにも掲載されました。
いろんな社員が順番に書いているのでよかったらのぞきに来てくださいね!
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2014年4月号Vol.22 2014年04月30日
こんにちは、サクっと小噺のサクライです。いきなりですが問題です。ジャジャン!!
きっと皆さん分かりますよね。2月14日はバレンタインデー、女性が愛しい男性にチョコレートを贈る日です。
3月14日はホワイトデー、チョコを貰えた幸運な男性が女性にお返しをする日です。
では少し難易度を上げまして・・・
うーん、正答率は半々くらいですかねぇ。4月14日はブラックデー、バレンタインデーにもホワイトデーにも縁のなかった人達が黒いジャージャー麺を食べる日だそうです。暗い気持ちを黒で表しているのでしょう。韓国の風習です。
日本にもあったらいいのにね、黒豆を食べるとか(笑)。
最後です。これに答えられたらアナタは恋愛の達人?!
恋愛はうまくいかない事の方が多いです。せめてキレイに別れたいですね。そう、別れを切り出すのに最適な日が5月13日といわれているのです!バレンタインデーから88日目を”八十八夜の別れ霜”にかけて、別れ話に最適な日を5月13日と定めたそうです(八十八夜:立春を第一日目として八十八夜を指すので、正しくは5月1~3日頃に当たります。
八十八夜の別れ霜:この頃に降りる霜で、この冬さいごの霜と言われます)。
以降は霜が降りないから・・・優しいですね。もう寒さが戻らないから、という事ですよね。私の過去の恋人達よ、ちょっとはフル日を考えてくれ!私は過去に2回フラれているのですが、どっちも12月でした。寒いんだよ!!
寒いってだけで気持ちは落ち込みます。ましてや12月なんて、まさにこれから冬本番ではないですか。どんどん寒さが厳しくなる時期に突き放すなんてヒドイじゃないですか。クリスマスに胸痛むじゃないですか。こんな気持ちで年を越したら辛い1年だった気がするじゃないですか。こんな気持ちで新年を迎えたら縁起が悪いじゃないですか。フラれるのは仕方ないけど、12月はヒドいよ・・・。
個人的には、これから梅雨がやってくる5月半ばよりも、春が始まる3月くらいにフラれる方がいいなぁ・・・とも思いますが、まぁそれはそれとして。なんにせよ12月よりはマシです。
そろそろ清算したい関係をお持ちの方は、5月13日を良いきっかけにしてはいかがでしょうか(笑)。
でも、それを乗り越えたら、6月12日には「恋人の日」が待っていますよ★
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2014年3月号Vol.21 2014年03月30日
春眠不覺曉 (読み:春眠(しゅんみん)暁を覚えず) (意味:春はよく眠っちゃうから、夜明けに気づかない)
處處聞啼鳥 (読み:処処(しょしょ)啼鳥(ていちょう)を聞く) (意味:目覚めてみると、鳥の声が聞こえる)
夜来風雨聲 (読み:夜来(やらい)風雨の声) (意味:そういえば、昨夜は風の音が強かった)
花落知多少 (読み:花落つること知んぬ多少ぞ) (意味:せっかくの花がどれほど落ちたかしら)
孟浩然
こんにちは、サクライです。上の漢詩をご存知の方は多いのではないでしょうか? 中学校の国語の時間、私が最初に触れた漢詩です。想像してください―…春の朝、布団の中でまどろんでいます。あぁ鳥が鳴いているから、いい天気だろうなぁ。
そういえば昨夜は風が強かったから、花が落ちているだろうなぁ。布団の中で目をつぶったまま、外の景色を想う。そうやって外に想いを馳せつつも、なかなか布団から出られない。そんな春の朝です。
さて、先日ラジオで知ったのですが、春は血圧が下がるそうです。気温の上昇に伴い、閉じていた毛穴や血管が開き、その反動で血圧が下がるとか。低血圧は朝が苦手ですから、「春眠不覺曉」は医学的に説明できるって事ですね。そう考えると、
情緒もへったくれもないけど…。
私サクライはヒドイ低血圧です。健康診断を受けたら、上が80~下が40でした。ドクターには「毎日ダルイでしょ。辛いねぇ」と言われますが、ずっとこの体で生きているので比較のしようがありません。この体調が標準だと思っています。毎朝、
「死にそう…」と思いながら起きていますが、それが当たり前だと思っています。血圧が上がれば、人生が一回り明るくなるのでしょうか。
よく食べます。よく寝てます。よく運動してます。ストレスもありません。いったい何が悪いのでしょう?
血圧が低いということは、心臓のポンプが弱いということでしょうか? 心臓の筋肉はどうやって鍛えればよいのでしょう。
ジムのお兄さんに「胸じゃなくて心臓の筋肉を鍛えたいんです」と相談したら断わられてしまいました。「うちのジムでは対応してませんねぇ…」 筋肉のプロでも解決法がわからないなんて、状況は深刻です。
話は変わりますが、私はあまり緊張しません。人前で話す、目上の方に異議申し立てをする、ハッタリをかます、変な物を食べる、一人で未知の場所に行く…わりと平気です。度胸があるんだと思っていました。20才を越えてから恋にドキドキしません。好きな人と一緒にいてワクワクしたりホッとする事はありますが、トキメキ☆ドキドキはありません。
恋愛にトキメキよりも安らぎを求めるタイプなんだと思っていました。
でも健康診断で気づきました。私が緊張しないのは度胸があるからではありません。恋にドキドキしないのは安らぎを求めるタイプだからでもありません。心臓に、心拍数を上げるだけの筋力がないのです。
まだ26才なのに、こんな悲しいことがあるでしょうか。
低血圧を治す方法をご存知の方がいらっしゃいましたら、どうかご一報ください・・・。
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この小噺は、2012/6弊社の社員ブログに掲載された文章を直したものです。
P.D.R.のHPでは、私サクライ含め、数名の社員が順番にブログを書いています。
私が好きなのはコミュニケーションセンターの芳野の回です。仕事の息抜きに、ちょっとのぞきにきてくださいな♪
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2014年2月号Vol.20 2014年02月28日
こんにちは、サクライです。PDR新聞の2月号にも載りましたが、先日、旅先のタイで笛を売ってきました。
ある日の夕方、露店が並ぶ通りを散策していて、民族楽器(笛)を売っているお店に目が留まったんです。「買わなくてもいいからやってごらん」と売り子のオバサンに笛を渡されましたが、私が吹いても音が出ません。「違うわょー、こうょー」オバサンが教えてくれます。・・・あっ、ちょっと出た!少し面白くなってきたぞ。
私は腰を据えて練習を始めます(買ってもいないのに)。ぴっ・・・ぴ、ぴー。ぴぃいー!!
私がずっと吹いていたら観光客が足を止めて、「ハウマッチ?」と尋ねてきました。オ、オバサン、お客様だよ!価格交渉はプロにバトンタッチ・・・売れました。「ありがとう、アナタは看板娘ねぇ」 えへへ、褒められた♪
その後も度々こういう事が起こります。その間にオバサンの価格交渉を観察して、楽器ごとの最初の言い値と、落とし所の価格を覚えました。 ―よし、価格交渉、私もやってみましょう。
また観光客が足をとめます。笑顔でアイコンタクト、近づいてきたら軽く演奏、楽器を手渡して吹かせてあげます。
「いくら?」「450バーツ」「高いなぁ」「いくらなら買う?」「いくらにしてくれる?」・・・なんてやり取りを繰り返し、300バーツでお買い上げいただきました。やったぁ! やがてオバサンは私に電卓を預けて、自分は本を読んだり他所に出かけたりし始めます。留守をしっかり守らなければ。
「何か吹いて」とリクエストしてくる人もいて、すごく緊張します。
さっきまで音が出たのに、全然出なくなったりします。
「音出ないじゃん」「いやっ、私が下手なだけで、ちゃんと出るんですよ!」―お客様を逃しました。オバサンごめん・・・。
私の写真を撮りたいと言う人もいます。いいけど・・・君が撮りたいのはタイの売り子でしょう。私は日本の旅行者だよ。
説明するのも面倒なので、そのままオッケーして写真を撮られます。
カタコトのタイ語で「もっと安くして」と言う人もいます。私タイ人じゃないし~なんて言ってガッカリさせたくないので、「タイ語で言われちゃ仕方ないなぁ」と笑って値下げします。
「キミはタイ人じゃないよね?」と聞いてくる人もいます。正直に日本人と答えます。「なんで日本人がここで笛売ってるの?」な、なりゆきで・・・。
結局、4時間お店にいました。手伝っていたのか邪魔していたのか分かりませんが、オバサンは「またおいで。毎晩ここにいるから」と言ってくれたので、そんなに迷惑ではなかったんだろうと思います。4時間吹きまくった笛は150バーツで購入しました。もう十分吹いたので正直それほど欲しくもなかったけど、楽しませていただいたので、そのお礼です。
とっても面白い夜でした。オバサン、旅行者、近くの露店商人達との触れ合いも楽しかったけど、なによりモノを売るという行為そのものが楽しかったです。私はその時バケーション真っ最中で仕事とは正反対の位置にいたわけですが、店番はどんな観光とも違う面白さがありました。
よし、私も楽しい歯ブラシ売りに戻ろーっと・・・と思って帰ってきました。
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2014年1月号Vol.19 2014年01月30日
こんにちは、サクライです。突然ですが、世の中にはいろんな人がいます。
ボケた人のことを『天然』と言いますが、どうして『天然』なんでしょう。調べてみると・・・「人口でないもの。自然と同義。転じて、生まれつき備わったもの」だそうです。なるほど。
芸人さんの計算されたボケや、女子が可愛く見せようとして演じるオトボケとは違うって事ですね。
さて、『天然』と言うと真っ先に浮かんでくる女性がいます。名前も知らない人ですが、私が人生26年間に出会った人の中で、最も天然な人です。今月は彼女の話をしましょう。
私が中学生の時の話です。とある北海道の旅館で、私は妹と温泉に入っていました。他に、若いお姉さんの2人連れと白人の方が1人いました。やがて外人さんは脱衣所に出て行ったのですが、しばらくして慌てて戻ってきます。“Would you come here for a moment ? I need your help !(ちょっと来てもらえますか?助けてください!)”どうも困っている様子。湯につかっていた私たち4人はゾロゾロと脱衣所に出ていきます。
そこで外人さんが必死に説明するには、彼女の下着や浴衣が一式ないとの事。脱衣所には、5人分の下着と浴衣が、それぞれ籠に入っています。呼び出された4人は、自分の籠を指さしながら所有権を主張します。
“It’s mine.”“It’s mine.”“It’s mine.”“コレ、ワタシノデェス!”・・・
最後にカタコトの日本語で話したのは私の妹です。
身元の分かっている4籠+もう1籠あります。これが外人さんのじゃないの?―違うの。
私たちは、その籠の中身を取り出しました。旅館の浴衣が1着と、過激な黒下着が上下揃いで1着。セクシーだ・・・。コレ、ダレノ? 下着を見つめて呆然とする5人。もちろん全裸。
さて、さも自分には関係ないかのようにドライヤーで髪を乾かしていたお姉さんが(既に浴衣を着こんでいる)、スーッと脇を通って出て行こうとしました。そこで外人さんがムンッと掴んで、“Yours?!”下着を目の前に突き出します。何を言われたのか分からなかったのか、お姉さんは首をかしげて無言。「アナタのですか?」私が日本語に訳します。「え?・・・あ、私の」
はぁ――――――?!マジすかっ?!下着まちがえたんですかっ??!!
肌に直接触れている下着って、とても自分に馴染んだものではないですか?まして女性の下着です。男性のトランクスとは違います。胸とお尻にピッタリくっついて、持ち主の体を覚えている生地です。他人のを着たら、絶対わかります。
特に恐縮もせず、お姉さんは淡々と帯をほどき、浴衣を脱いで、ブラとショーツを取って、外人さんに手渡していました。
外人さん顔にタテ線。
きっと思い出深い日本旅行になったでしょう・・・(苦笑)。
こぼれ話・・・。
その後、すっかり冷えてしまった体を温めるため、最初の4人は湯に戻りました。私と妹は「さぁ笑ってやろう」と思っていたのですが・・・お姉さんの2人連れは、湯に戻ったとたんに「でね、その時彼がね・・・」
えぇ―?!今の事件ちっとも話題にならないの?
かなりビックリ事件だったと思うんですけど・・・。
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2013年12月号Vol.18 2013年12月30日
2012年12月24日。昨年のクリスマスイヴ、私は引っ越しました。朝から晩まで、段ボールを畳んだり、家具の角に足の小指をぶつけて泣いたり、雪崩を起こす本の山に茫然としたりしていました。
一人作業はつまらないので一日中ラジオをつけていました。どの局もクリスマス・クリスマス・クリスマス。
昼のラジオ。胸キュンのクリスマスエピソードが投稿され、その思い出を彩るクリスマスソングが流れます。
「7年前のイヴ。彼がホテル最上階のディナー&スイートルームをこっそり予約していて、そこでプロポーズされたんです!思わず泣いちゃいました・・・。二人の子どもに恵まれ、今年は家族4人でクリスマスです」 「毎年クリスマスは彼は仕事。でも、25日の朝に彼からプレゼントが届くんです。サンタさんみたい~」「もう8年間、イヴの夜はうちに一人身の男女が集まってしこたま飲むのが恒例イベント。その中でカップルができる事もあってムカつく・・・と思ってたんだけど(笑)、そこで生まれたカップルが結婚することになりました!腹が立っていたのも忘れて、なんだか鼻が高いです」などなど。
「ヒューヒュー♪」「いいにゃあ~」「うひゃー」いちいちラジオに合いの手を入れる私。その時は楽しかったのですが、いま思い返すと、悲しい光景かもしれません(苦笑)。名古屋のショッピング街から公開生放送をしているらしく、パーソナリティが「皆さん紙袋を抱えていらっしゃいます。プレゼントを買いに来たんですかね~?あっ、そうそうと、頷いてくれる方もいらっしゃいます。」クリスマスにノロケ話ができる人&ショッピングに出かける人を対象にしたハッピー番組でした。
幸せのお裾わけをいただいているような気がしました。
さて夜のラジオ。番組が変わったのか、局を変えたのか覚えていないのですが・・・“幸せなイヴを過ごしている人”ではなく、“イブの夜に頑張っている人”に向けた番組が流れてきました。テーマは「励まされたMr. Childrenの曲」。浪人生から、「イヴの夜も勉強です。挫けそうになると、『終わりなき旅』で自分を奮い立たせています。♪高ければ高い壁の方が、のぼったとき気持ちいいもんな~♪のフレーズが大好きです。」イヴ直前に失恋した男性から、「先日彼女に振られました。今夜は他の男と過ごすそうです。プレゼントも買ってあったのに・・・。『Over』の♪愛しき人よさよなら~♪が聴きたいです。今夜は飲むだけ飲んで、来年は前を向きます。」 仕事中のタクシードライバーから「今夜は飲む人が多いので忙しいです。イヴの夜、
子どもが起きている時間に帰れた事がありません。『PADDLE』の♪良いことがあってこその笑顔じゃなくて、笑顔でいれば良いことあると思えたら、それが良いことの序章です~♪をお願いします」
「いいなぁ」としみじみ思いました。クリスマスというと「幸せ組」と「惨め組」に分けられるような、そんな煽りを感じていましたが・・・イヴの夜に戦っている人達にスポットを当てて、それを応援するような番組もある事にとっても嬉しくなりました。なんというか、こーゆーのは良い社会です。さてラジオ終盤、リスナーから感想が届きます。「最高のクリスマスです。ありがとう。」「僕が働いているからクリスマスを楽しめる人もいるんです。そう思ったら、クリスマス職務も悪くない。」
世の中は、思っていたよりも美しい―・・・。
昼の胸きゅんラジオと夜の応援ラジオから、そんな事を感じた一日でした。
今年も1年お世話になりましてありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。
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2013年11月号Vol.17 2013年11月30日
こんにちは、サクライです。先日、小中学時代によく遊んだ友人の結婚式に行ってきました(マユちゃんという子です)。違う高校に進んで以降はたま~に会う程度だったのに、なぜか結婚式の挨拶を頼まれました。「10年も疎遠の私が?」とも思ったのですが、彼女には大きな恩があります。断われる訳がない。
彼女は背が高く、頭が良く、スポーツ万能でクラスの中心にいるハンサムガールでした。二人で一緒にいると周りからは「カップルみたい」とからかわれ、私も「マユちゃんなら結婚してもイイ♪」と告白していましたが、残念ながら彼女はステキな旦那様を見つけてしまいました。真っ白なドレスを着て微笑む彼女を見て、「うわぁ~、マユちゃんなのにドレス着てるよ(失礼)」と可笑しくなってしまいました。性格も見かけも変わってないのに、めちゃめちゃ綺麗なのが不思議でした(重ねて失礼!)。
彼女は変な子でした。エピソードを挙げればキリがありませんが…
例えば中学時代、同じバスケ部に入ったばかりの頃の話です。まったく上達しない私と違って、マユちゃんはどんどん上手くなっていきました。
しかしある日、彼女は顧問の先生にめちゃめちゃ怒られます。理由は思い出せませんが、シュートを外したとかドリブルが遅いとか、きっとそんな事です。さてその日の帰り道、私が彼女を慰めようとすると、一人でニヤニヤ笑ってるんです。おいおい、気持ち悪いぞ。
「…どうしたの?」私が怯えて尋ねると、「私は期待されてるんだねぇ。
そろそろレギュラーかなぁ」ってほくそ笑むんです。
じぇじぇじぇ~、ナゼそーなる?!コイツすごいな!!
マユちゃんにはこういう事が多かったです。彼女流の都合の良い解釈に、開いた口が塞がらない事が度々ありました。……―数ヵ月後、マユちゃんは1年生にして、本当にレギュラーになりました。
ずっと近くでマユちゃんを見ていて気づいた事があります。彼女は何でもできるから自信があるように見えますが、実際は逆です。自信があるから、何でもできるようになるんです。「私はスゴイ」という自己肯定感が成功率を引き上げ、失敗した時は彼女を支え、最終的に良い結果に導いているんです。
「能力と自信の順序は逆」子どもの頃の私にとって、これは大発見でした。マユちゃんのようになりたいなら、まずは自信を持つところから始めなければなりません。根暗で不器用で人見知りの私が自信を持つなんてまったく途方もない試みでしたが、マユちゃんをマネる事で確かに性格は変わったし、成績も少しずつ上がっていきました。結局、彼女のようなスーパーガールにまではなれなかったけど、私なりに大変身したんです。今でも、彼女は私の中に大きな影響を残しています。例えば、新しい仕事を
目の前にして根拠のない自信が沸き上がってくる時、私は自分の中にマユちゃんが居るのを感じます。
小・中学生という人格形成が成される時期にマユちゃんと一緒に居られた事は、私の人生において最もラッキーな事の1つでした。
マユちゃん、本当におめでとう。ずっとずっとお幸せに…って心の底から願ってるけど、これからも山あり谷ありあるでしょう。でもマユちゃんなら大丈夫だよ。アナタは、そーゆー人だから。
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2013年10月号Vol.16 2013年10月30日
こんにちは、サクライです。突然ですが、P.D.R.で貴金属のリサイクルをしている事をご存知ですか?
お集めいただいた研磨屑、撤去冠、キャスト屑などをお送りいただけたら、金・白金・パラジウム・銀の含有量を分析して、それに応じたご精算金額をご指定の口座にお振り込みしています(詳細は裏面をご覧ください)。まさに塵も積もれば山となる…。“ちょっとしたお小遣い”と呼ぶには大きすぎる金額になるものですね!!
更に今なら、リサイクルにお申し込みいただいたお客様にはもれなくトトロのマグカップ(ノリタケ製)をペアでプレゼントしています。秋も深まり、温かい飲み物を楽しむ機会も増えてきたのではないでしょうか。
そんな時、トトロがリラックスのお供になれば嬉しいです。
トトロといえば、私と妹(3つ下)が一番最初に夢中になったアニメがトトロでした。よく二人でトトロ探しに出かけ、夕飯の席で「トトロいたよ」と両親に報告していました。いったい何を見て“トトロだ!”と認識したのか、今ではまったく思い出せないのですが…。それから少し年をとって、私が一番最初に恋に落ちた相手が「耳をすませば」の聖司くんです。聖司くんのような人に出会いたくて図書館に通いつめた時期もありました。私の“白馬に乗った王子様”は聖司くんだったんです。今では「聖司くんのような男性は存在しない」と諦めていますが…。
今、26才になった私は、トトロを見つける目も聖司くんを待ち望む心も失ってしまいました。悲しい意味で大人になったのかなぁ…。それでも、ジブリ映画は楽しいです。美しい絵、心に響く音楽、深いメッセージなど、魅力を挙げればキリがありませんが、私は特にヒロインが好きです。それぞれ個性豊かなヒロイン達ですが、みんな芯が強くて前向きです。こういう女性になりたいですね。―さて、独断でジブリヒロイン診断を作ってみました。あなたは誰に該当するでしょうか。お仕事の息抜きになれば幸いです。
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2013年9月号Vol.15 2013年09月30日
こんにちは、サクライです。以前の小噺で「私の母はヒドイ人です」と紹介した事がありましたが、この夏、その母とタイのチェンマイに行ってきました(母48歳・娘26才の二人旅)。私は2年半ぶり、母は初のチェンマイです。美味しいご飯屋さん、屋台での賢い注文の仕方、レートの良い両替所、タイの美容室の様子などなど、また新しい発見がいっぱいあったのですが、一番大きな発見は「母と私は似ている」という事でした。ショックでした。
母はその瞬間の欲求に忠実です。食欲旺盛な彼女は、朝起きたとたん「お腹すいたお腹すいたお腹すいた」と騒ぎます。彼女のお腹すいたコールに起こされて、二人で外にご飯を食べに行きます(安宿なので、ホテルでご飯は出ません)。食事が終わると睡魔に襲われるらしく、母の目がトロ~ンとしてきます。テーブルについたままこっくりこっくり眠り始めるので、「お昼寝しよう」といったんホテルに戻ります。さてホテルに着いて、私は寝たいのですが、あれほど睡眠を欲していた本人はホテルに戻るまでに眠気が取れるのか、なかなか寝ません。寝ている私の隣でタイ語の発音練習を始める始末。「サワディカー、コップンカー、マイペンライカー、タウライ?」・・・あぁもう、うるさーい!!
母は感情表現が大げさです。トゥクトゥクに乗れば「楽し~い!コレに乗れただけでチェンマイに来てよかった」とはしゃぎ、ホテル近所の食堂に入れば「美味し~い!毎食ココでもいいなぁ。もう一皿頼もうよ」と喜びます。
機嫌がいい時は「ハルカは最高のツアーコンダクターだよぉ」とご満悦ですが、ちょっとマズイ物を食べると、とたんに不機嫌になり、「ハルカのせいだ」と怒ります(私の下の名前はハルカです)。「思ったこと全部口にするなあっ」と怒ってみたら唇を尖らして黙るのですが、顔に出るので意味がありません。忙しくクルクルと変わる喜怒哀楽が、手に取るように分かります。
やれやれ・・・と思ったのですが、よくよく考えてみると、これらの傾向は私も持っています。恋人に母の愚痴をこぼすと「ハルカそっくりだね」と言われるのですが、その意味がよく分かりました。
冷静で賢くて仕事がデキル父のようになりたいと思った事はあっても、喜怒哀楽の激しい母のようになりたいと思った事はありません。見ている分には楽しいけど、本人は大変だろうなぁと思っていました。しかし26才になった今、私は母にそっくりになっていました。がーん。
ショックな発見はあったものの、母との旅行はとっても楽しかったです。母も「また誘って!」と言ってくれているので、また一緒にどこかへ行こうと思います。
旅行写真を弊社の社員ブログに載せました(2013/9/17)。
絵を描く象さんなどがいます。
よければ見に来てください。
(ピーディーアール[社員ブログ]で検索!)
【ちょっと宣伝】
タイは買い食い&ながら食い文化です。歯には大変よろしくない。子供たちは下校中に何か食べています。大人は仕事中に何か食べています(これとは別に、三食ももちろん食べます)。そんなわけで、いつもは毎食後に歯磨きをしている私も、タイでは就寝前に磨くだけでした。一日分のプラークがべったり・・・。「これはトルネの力が必要だ!」
とトルネード毛歯ブラシ(毛がねじねじ捩じってあるPDRオリジナル歯ブラシ。毛コシが強い)を愛用していました。
さすがトルネ歯ブラシ、脂と砂糖たっぷりのタイのプラークもしっかり落としてくれましたよ☆
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