2024年4月Vol.133 サクッと小噺 2024年05月15日

※小噺は過去分を随時アップしております。内容に時差がある場合もありますが、是非ご覧ください。

≪息子過剰歯≫

私の息子(4才)は過剰歯があります。かかりつけの歯科医院様では2才の頃から乳前歯の動揺を気にしてくださっていて、3才になった時にレントゲンを撮ったら上顎前歯の歯肉の中に過剰歯があり、過剰歯におされて乳前歯の根が溶けていると分かりました。しばらく様子を見ながら定期検診に通っていたのですが、3才半のとき「動揺が大きくなっているから、抜けてしまう事も考慮して大きな病院で診てもらいましょう」と紹介状をいただきました。すぐに大学病院の小児歯科へ。
いろんな角度からレントゲンを撮り、ある写真では乳歯と永久歯と過剰歯がすべて歯らしい形に写っていますが、別の写真では過剰歯だけ楕円で歯らしくない形をしています。
先生は「正常な歯の向きに対して、過剰歯が邪魔する角度かも」と予想して、CTを撮ったらその通りでした。これでは、永久歯はものすごく変な角度で生えてくるか、または生えてこない事もありえる状態です。そこで、過剰歯の抜歯手術のために同病院の口腔外科へ移りました。
先生:抜歯手術は今でもできますが、6才まで待っても良いです。
私 :なぜですか?
先生:この状態ではどのみち矯正は必要で、矯正は6才から始めるからです。3才で抜くなら全身麻酔で入院になりますが、成長するほど全身麻酔のリスクも下がるから、処置が急務でなければ成長を待つのも一手かと。
私 :なるほど。今のうちに抜歯するメリットはありますか?
先生:生えてくる永久歯の角度がすこしマシになるかもしれません。でもこの過剰歯では、矯正が不要になることは無いです。
私 :わかりました。ところで、いま抜歯したら、乳前歯は抜けちゃいますか?
先生:歯根がほとんど残ってないし、過剰歯は乳前歯の奥にあるから、抜ける可能性は高いです。抜けないようベストはつくしますが…。乳前歯が抜けたら、歯列が動かないような器具をつけます。
私 :ですよねぇ…。よし、抜歯は延期します。
先生:それが良いと思います。抜歯したくなったら、そうでなくても気になる事ができたら、またいつでも来てください。
私は、早くても乳前歯が抜けてから、遅ければ歯が生え変わり始めてから、過剰歯を抜くことに決めました。今回の件で息子の歯列写真をたくさん撮っていただき、歯科医師の先生方とお話しできて、ありがたかったし興味深かったです。
早いうちに前歯の動揺に気づいて検診を続けてくださったかかりつけの先生もありがたいし、永久歯の歯並びを心配して抜歯手術を勧めてくださった小児歯科の先生もありがたいし、長い目で見て今は延期という選択肢を教えてくださった口腔外科の先生もありがたいです。1つの歯をめぐって、三人の先生の見解を聞くのはとても興味深かったです。また、イメージからいうと小児歯科の先生のほうが全身麻酔を避け、口腔外科の先生のほうが手術に積極的になりそうなのに、逆だったのも興味深いと感じました。さらに、3歳児の歯列のレントゲンとCTは感動モノです。乳歯と永久歯の両方があるので大人よりも複雑で美しいし、なんといっても埋まっている6歳臼歯の可愛いのなんの!!ハートのような形も可愛いし、歯肉の中でじっと座っている姿も可愛いです。レントゲン写真を複数ならべて過剰歯の位置と角度を考察するのも興味深く、CTにいたっては感動しました。なんて分かりやすいんでしょう!私のような素人でも、正常な歯列に過剰歯が邪魔していることが分かるし、過剰歯を抜くとなれば乳前歯は抜けてしまうだろう事も予想できます。
かかりつけ歯科医院受診→バスを乗り継いで大学病院の小児歯科受診→日をあらためてCT撮影→日をあらためて口腔外科受診、と子連れで動くのは大変でもありましたが、とてもありがたくてとてもとても勉強になりました。

息子が過剰歯を抜くのはいつになるかしらん。
今日もパクパクご飯を食べる息子を眺めながら、その日を楽しみにしています。

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