2012年12月号Vol.6
こんにちは、サクライです。もうすぐお正月ですね。家族でゆっくり過ごす方も多いのではないでしょうか。
私も埼玉の実家に帰ります。そしてサクライ家は百人一首で遊びます。
上の句を読まれたら、下の句を思い出してとらなきゃいけない・・・。普通のかるたと違って、札には字し
か書いてない・・・。つまらなそうーと感じられるかもしれませんが、やってみるとメチャメチャ楽しいんです。
記憶力と集中力と瞬発力を競い合う競技です。ハマります。
自然を詠んだ句は、情景が目に浮かぶようです。「嗚呼、綺麗だ」と思います。
恋を詠んだ句は、きゅんっ?とくる句もあるのですが、私から見ると「気持ち悪い」「暗い」「しっかりしろ!」
と言いたくなるようなものが大半です。
昔は夜な夜な男性が女性のもとへ通い、女性は心開くまで逢瀬を拒むという文化がありました。待つ女性が
「ねぇどうして来てくれないの?待つ身にとって夜がどれほど長いか想像できて?」とか、拒まれた男性が「一
人で寝るのは寂しいよー。死んじゃうよー。」とか言う句が多いです。
句が読まれるとパシッ!パシッ!と取るわけですが、面白すぎて一言申さずにはいられません。
妹「あしびきの~、山鳥の尾の・・・」
(下の句:「一人の夜はとても長いよぉ」と続く)
母「さっさと寝なさいっ!」パシッ
私「この人たち働いてないから、寝る前に
ちょっち運動しないと眠れないんだよ」
母「なるほど・・・」
父「文化が発達する時代だよなぁ」
妹「つぎ読みますよ!」
家族で百人一首というと優雅な家庭を想像されるかもしれませんが、サクライ家では実際はこのように下衆な
話をしています。百人一首に飽きたら花札です(昔の賭け事。やっぱり下衆だなぁ)。それに大晦日の除夜の鐘
つき、神社に初詣、ウィーンフィルのニューイヤーコンサート、箱根駅伝…サクライ家は、年末の大掃除は手を
抜くくせに、遊びの方は全力です。家族それぞれお気に入りは違いますが、私は百人一首が一番好きです。今か
ら楽しみです。わくわく。
では最後に好きな句を二つ・・・
《自然の句より》
秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ
(秋風に雲が吹かれ、その隙間から洩れる月の光ってばなんて美しいんだろう)
左京大夫顕輔
《恋の句より》
忍ぶれど 色にいでにけり わが恋は 物や思ふと 人のとふまで
(隠しているつもりなのに 恋心は顔にでちゃってるみたいお前好きな人がいるんだろって 聞かれちゃうくらいなんだもん)
平兼盛