2017年4月Vol57
こんにちは、サクッと小話のサクライです。青葉が眩しい季節ですね。そういえば、最近の運動会は5~6月が多いってご存知ですが?私の頃は10月だったので、クラス替え直後に運動会なんて不思議な感じがしますが・・・。
サクライは運動会に良い思い出がありません。─というか、学校行事の中で1番キライでした。どうせ運動音痴だからでしょ?─えぇ、そうですよ、そうですが、それだけではないんです。今月はそんな胸の内を聞いてください。もしアナタが「勉強はできるけど運動はできない」子供時代を過ごしていたら、共感していただけるかもしれません。
私は「勉強はできるけど運動はできない」子供でした。勉強ができると普段から目立ってしまうので、運動会でも周りの期待は高いです。しかしそこで私が見せるしたいに、「勉強はできるくせに役立たずめ」と皆が白けた目を向けます。その時の恥ずかしさと情けなさといったらもう・・・。
あぁ、どうして運動はあるのにテスト会はないんだろう。テストもクラス対抗戦になれば、私は稼ぎ頭としてクラスメートに感謝してもらえるのに。誰かが100m走で1位になればクラス中が喜ぶのに、私がテストで100点取っても誰も喜んではくれない。運動神経は「クラスの宝」としてチヤホヤされるのに、勉学は「利己的な力」と見なされる。だって運動会は団体戦だけどテストは個人戦だから!
私の小さな胸は痛みます。ズキズキ。
小学生の頃からずっとそう思っていたけど、言えないんですよね~。「勉強はできるけど運動はできない」は嫌味に聞こえるからです。ところが逆に「勉強はできないけど運動はできる」は爽やかに聞こえるって知っていますか?たとえば就活の面談で、「ずっと野球一筋で、勉強はあんまり・・・。えへへ」なら、爽やか・根性・チームプレー・素直などの印象が得られます。でも「勉強はできますが、運動はあんまり・・・」だと、暗い・弱い・個人主義・理屈っぽいなどの印象になるわけです。─なんでだよ!不公平だっ!!
たまに運動会をしている学校の脇を通り過ぎる事があります。そんな時、徒競争でどんじりを走る子供達に、私はひっそりエールを送ります。「がんばれ、一生懸命やれば十分だよ!」と。そして彼らが大人になって運動会から解放された時、私のように「自分の好きな事を好きなペースでやれるなら、運動も悪くない」と思えたらいいなぁ─と説に願います。本当に心からそう願います。