自分の常識を疑う
昨日、このブログを読んだ社内のパートさんから「意外にカタくて難しい本ばかり紹介しているのね」と言われましたので、今回は自分らしく(?)やわらかい本を紹介させていただきたいと思います。
今回ご紹介させていただく本は「Out Of Photographers(通称 アウフォト)」という本。この本は10年前に廃刊になっていますが、知る人ぞ知る伝説的な雑誌です。この雑誌の凄かったところは全編素人の投稿写真(決してエロ本ではない)によって成り立っていたところです。逆光だったり、ピンボケしていたり、どこを撮っているか意味がわからなかったり、そんな写真素人(一般人から吉川ひなの、スチャダラパー、横尾忠則、小沢健二、菅野美穂…等の有名人まで)の写真が全ページを埋めつくすという、衝撃的な内容でした。写真に詳しくない私から見ても、明らかにプロのクオリティには遠く及ばない写真ばかり…だけど面白かった!!
掲載基準である、『「楽しすぎて撮るの忘れちゃった」みたいな気持ちで撮った写真』が、プロの編集によって、「ただ、楽しい写真」が「作品」に昇華された事が発売当時、最高に新しく、自分の中では画期的で、新しいモノ好きな私の気持ちはガッチリつかまれました。自分で「ただ、楽しい写真」を並べても、プロの様に「作品」にはならないので、編集の面白さが少し分かった気がします。
また、この雑誌を読んで、私は「自分の常識は疑え」という事を学びました。アウフォトに出会う前は、写真に限らず「プロが作ったもの=クオリティが高い」で「素人が作ったもの=クオリティが低い」と思い込んでいました。しかし、アウフォトに掲載されていた素人の写真は、偶然の産物的なモノが多かったにせよ、面白さという点ではクオリティが確実に高かった。それまで、有名無名やプロかどうかに囚われていた私の価値観は壊れました。
ありがとう、アウフォト。