シラスウナギはどこに行った?
コミュニケーションセンターの神戸です。
鰻の価格が相当に上っていて、一部業界では「割りもの」普及の機運が高まっているんだとか。
1人前で1匹の鰻を使ってるうな重に対して、「割りもの」とは、例えば2匹の鰻で作られた3人前のうな重を指します。
「それでは鰻の量が減っちゃうじゃないか!」と不安になる食いしん坊のあなた!
ご安心ください。
今まではちょうど重箱に収まるサイズの中サイズの鰻を、わざわざ選っていたらしいのですが、「この鰻不漁(正確にはシラスウナギ不漁)の昨今、1匹1匹の鰻が十分太るまで出荷を遅らせよう」という目論見のようで。
この理屈でいえば、例え重箱あたりに使用する鰻の匹数が減っても、大きな個体を使うことで全体のボリュームは維持されるはずです。
何故に今まで「割りもの」が普及しなかったかといえば、まず見た目の問題。
頭から尻尾まで味わってこその鰻という美意識でしょうか。
次に、あまり鰻が成長すると骨が固くなるそうですが、これは調理の腕でカバーできるとか何とか。
個体が大きい方が食用部分の歩留まりは高まりますから、個人的には鰻が高くなりすぎて食べられなくなるよりは、遥かに「割りもの」ウェルカムです。数年前は2千円台前半で食べられたうな重も、今は3千円近いですからね。
ちなみに、名古屋名物ひつまぶしは鰻をご飯に混ぜこんでしまいますから、鰻が1匹だろうと割りものだろうと、お膳が供された瞬間を除けば関係ありゃしません。時代を先取りした鰻料理ですな。