2045年問題
こんにちは。
今回はシステム担当の長谷川が最近話題になっているコンピューターのお話をお届けします。
前回(2016年03月16日掲載)は人工知能がすごいという話題を取り上げましたが、今回はその話題の続きの「2045年問題」をお送りします。
結構前から一部では話題になっていたトピックなのですが、最近この話が非常に現実味を帯びてきています。
コンピュータ技術が今のスピードで発達し続けると、
ある時点で地球全人類の知能を超える究極の人工知能が誕生し、
その人工知能がその後更に自分よりも優秀な人工知能を作りあげ、
更にその人工知能が次のもっと優秀な人工知能を作り…
この調子で人工知能が人工知能をねずみ算的に作り続けて
天文学的なスピードでテクノロジーを自己進化させ、今の人間の頭脳レベルではもはや予測解読不可能な未来が訪れる・・・
つまり人類最後の発明は最初の人工知能を開発したことであり、ここが技術的特異点(シンギュラリティ)と呼ばれるポイントなのだそうです。
このシンギュラリティが訪れる(最初の人工知能が完成する)のは、2045年であろうといわれています。
なんだか映画「ターミネーター」に出てきたスカイネットを連想させるような話ですが、現在ネット上ではこの問題が大マジメに論じられています。
それどころか、シリコンバレーではGoogleやAppleなどの大手企業が人工知能の実用化に向けて動き出しています。
実際にAppleのSiriやGoogleの音声検索システムなどはかなりの精度で運用されていますし、米グーグルのエンジニア部門のレイ・カーツワイルという人工知能研究の第一人者は、2029年までには検索エンジンが人間のような能力を持つようになると述べたそうです。
(みなさんご存知の映画「マトリックス」はカーツワイル氏のシンギュラリティ理論にヒントを得て作られた映画です。)
知能というものを「情報を学習して記憶し、自ら判断して答えを出す能力」と定義するならば、情報量(知識量)の時点では既にコンピュータは人間を超えています。
2013年の時点でGoogleの検索エンジンには既に30兆ページのWEBページがインデックスされています。2008年では1兆ページだったので、5年間で30倍に増えました。Googleで何かを検索すると、この30兆ページのWEBページデータベースを1秒くらいですべて参照して、そのキーワードにマッチした検索結果をすべて拾って結果が表示されるわけです。
この時点で、「WEBから拾える情報の量」では、コンピューターは全人類に勝っています。
恐らく10年後には、世界の大学図書館の書物はすべてデジタル化されてクラウドに蓄積されているでしょう。
30年後には、地球上に存在しているすべての情報は100%完全にデジタルデータベース化されているのは当たり前、さらに、インターネットと繋がって生活しているすべての人間の個人情報、毎日の会話内容、1日の行動記録、生まれてからこれまでの健康情報に至るまでありとあらゆる人間行動情報を一個人単位ですべてデータベース化することも可能になると思います。
すなわち、WEBから拾える情報の量だけでなく、情報総記憶量でも、コンピューターが全人類を上回ることはもはや時間の問題です。
30年後だったら、インターネットの通信スピードとデータ計算処理速度はどんなに低く見積もっても現在の1万倍くらいになっているでしょうから、もし仮に情報を「学習」する能力をコンピューターが持つことができれば、全人類が1万年くらいかけて学習した量の情報をわずか1日とか1時間とか1分という恐ろしいスピードで学習して、1秒もかからずに最適な答えをアウトプットするようになると思います。
問題は人間に近い「学習能力」を持つコンピュータを果たして人間の頭脳で作り上げることがそもそも可能なのかという部分なのですが、それも前回紹介したように囲碁や将棋、チェスなどの世界では人類の知能を超えてきています。
40数年前に人類初の月面着陸をさせる為にNASAで使用した巨大な複数のコンピュータでの計算処理が、現在ではiPhone1台ですることが可能といわれています。
2045年はどんな世界なのか?
みなさんは約30年後のそのとき、いったいどこでどんな生活をしているのでしょうか?