誕生記念樹
こんにちは、山男Tです。
私の実家には樹齢53年の桜の木があります。
姉が誕生したときに記念樹として植えたのですが、
植樹した土との相性が良かったのでしょうか、とても大きく育ち、
胴回りは3mほどの巨大なソメイヨシノとなりました。
しかし、ここ数年、枝先が腐りはじめました。
桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿とは言いますが、
仮に台風などで大きな幹から伸びた枝が落ちて屋根を直撃したら、
家が大破してしまいます。
業者に頼むとしても、桜の木の近くには重機が入ることはできず、
結局は人手を雇い、ある程度の費用がかかってしまいます。
私は考えました。
クライミングの技術のある友人と協力し、
なんとか枝を伐採できないか?と。
方法は以下の通り
①剪定する枝の、切り落とされる枝の方にロープをかける(2本)
②1本のロープ(ロープ1)を桜の木の幹の、
切られる位置より高い所に固定する
③もう一本のロープ(ロープ2)を屋敷とは違う方向に引張り車に固定する
④すべての準備ができたら枝を切り、
枝が折れるタイミングを見計らって車で牽引する
要は、切り落とした枝が屋根に落ちないように、切った枝を吊り下げながら
横の庭に落とす作戦です。
友人と友人の奥さん、私の息子とクライミングロープ、
あとはオンラインショップ店長のジローの実家からチェーンソーを借り、
作戦は実行されました。
私と友人が木に登りロープを掛けていきます。
普段からクライミングしているので高さには慣れてはいますが、
揺れる枝には腰が引けます。
なんとかロープを掛け終え、あとは伐採です。
息子は車に乗りその時を待ちますが、
チェーンソーの大きな音でタイミングを伝えられません。
すると友人の奥さんが、息子に携帯電話を通じて指示を出す提案を
してくれました。
ナイスアイデアです。
私は枝を切り始めました。
重さで枝が少しずつ下に下がって行きますが、
息子の車は動き出しません。
どんどん枝先が屋根に近づきますが、
やはりチェーンソーの音で皆の状況がつかめません。
ほぼ枝を切り終え、あとは、枝の重さで落ちる瞬間を待ちます。
このままでは屋根に落ちてしまいます!
牽引するなら今すぐです!
そんな思いでチェーンソーを切ると、
奥さんの声がやっと聞こえました。
「引けって言ってるだろー!!」
スマホに向かって大声で怒鳴っています!
息子もやっと気付いたのか、慌てて車で引っ張ります!
間一髪のところで枝は屋根を避け、地面に落ちました。
無事に枝の伐採を終えた後に思ったのですが、
友人の奥さんと私の息子は、
伐採の30分程前に初めて挨拶した初対面同士でした。
女子は強いなと桜の木の剪定を通じて感じました。