サクのサクッと小噺
STAFF BLOG

2016年12月Vol.53 2017年02月27日

こんにちは、サクライです。皆様は良い年のスタートは切れましたか?私は先週末に熱田神宮に初詣をしてステキな30才になれるよう祈願してきました。「コイツは30にもなってこんなアホなこと書いてるのか」と言わず、温かく見守っていただけると嬉しいです。2.png

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さて、先日シルク・ドゥ・ソレイユのTOTEMを見てきたのですが…とんでもなかったです。「すごい」を通り越して「おかしい」、「感動」を通り越して「驚愕」、「夢みたい」を通り越して「悪夢みたい」でした。―あぁ、こんな風に書くと悪かったように聞こえますね。そうじゃないんです、すごく良かったです。
ただ理解可能なレベルを超えているので、結果的に、驚愕の変な夢を見ていたような気分になるんです。

 

シルク・ドゥ・ソレイユはカナダに本部を置くサーカス団で、たまに日本公演もしてくれます。サーカスなのに動物がいない珍しいサーカス団です。彼らは人間だけで演じます。人間の中にある動物性を発揮しているそうですが、もはや人間にも動物にも見えません。人間にしては飛び跳ねすぎるし、動物にしてはセクシーすぎます。もはや新しい生き物です。

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チケットは1万円程度…ミュージカルやオペラと同じくらいですね。ただ、サーカスらしくテントで開催するために会場が狭く、演者がとても近いです。「この距離感で1万円はお得」と思います。しかし目にするものが不思議すぎて、詳細を記憶にとどめる事ができません。ミュージカルやオペラなら鑑賞後に脳内リピートして何日間も浸れるのにシルク・ドゥ・ソレイユの記憶は断片的で、全体を通して思い出す事ができません。「脳内リピートできないのに1万円は損」とも思います。本当に、変な夢を見ていたようなんです。

 

首を吊った状態でグルグル回ったり、命綱ナシで宙を高く舞ったり、座布団を足で延々と回し続けたり…いくら仕事だからといって、よくこんな事ができますよね?―私の仕事ってラクだなぁ。シルク・ドゥ・ソレイユのような大したことはできませんが、今年も頑張りますので、よろしくお願いいたします。

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2016年11月Vol.52 2017年01月20日

こんにちは、サクライです。もう今年も終わりですね。毎年この時期になると、私は「今年の1冊」を選んで勝手に表彰しています(今年出版された本ではなく、私が今年読んだ本の中から選びます)。受賞した本を目の前に置いてパチパチパチ…と拍手をするだけの、ささやかな1人表彰式です。でも今年は、この場をお借りして表彰式を行いたいと思います。

 

えー、では改めまして…Ladies and gentlemen, I proudly present this years my best book!!
内田樹の『疲れすぎて眠れぬ夜のために』!!!( 2 0 0 3年 角川出版)

 

内田先生は私が好きな哲学者の1人で、「私の今年の1冊」の常連でもあります。今までも内田先生にはハッとさせられる事が多かったのですが、今年はこの本に救っていただいたんです。― 今年の5月、私はうまく眠れなくなりました。昼もぼんやり、夜もぼんやり、寝てるんだか起きてるんだか分からない状態が続いて、けっこうキツかったんです。

そんな時に出会った『疲れすぎて眠れぬ夜のために』。

 

これは睡眠についての本ではありません。多様なトピックスのエッセイ本です。ただ、「肩に力が入っている人」を読者像に据えているように思います。「ラクにしなよ」と言っているように感じます。

 

いろんなトピックスがある中で、私が救われたのは「利己主義」の話です。

たとえばムカついて人を殺す若者を「自己中だ」と非難する声があるけど、これは真の意味で利己的とは言えない。一瞬のむかつきを解消するために、そのあと長期間の拘束を受けるなんて、間尺に合わない取引だ。「未来の自分」より「今のむかつき」を優先する―これは利己的というよりも、利すべき「己」が異常に縮まった状態といえる。

ここまでは「私は違うもん」と思って読んでいました。問題はこの後です。

 

頑張りすぎる若者も、「己」が極端に縮んでいるという点では、むかつく若者と同じだ。彼らは自分を「私として承認する部分」と「承認しない部分」に分けて、承認する部分だけを「本当の私」と見なす。承認しない部分は、心であっても体であっても、承認する部分のために滅私奉公する事が求められる。でも、「私」って、本来もっと広大なものではないのか。

これはガツンと来ました。たとえば仕事中に頭が痛くなると、私は頭に向かって「いいから働け」と命令していました。たとえば夕飯の支度ができないほど疲れていても、私は体に向かって「旦那が帰ってくるまでにご飯を作ろう」と言い聞かせていました。つまり、「バリバリ働く私」や「良妻な私」を優先させて、「頭痛の私」や「疲れた私」は無視してきたんです。どの私も、平等に私だったのに。

 

この事に気づいてから、とてもラクになりました。「働く私」と「頭痛の私」の声を両方とも聞いて、「良妻な私」と「疲れた私」の声を両方とも聞いて、妥協点を探すようになったからです。頑張るのは大事だけど、適切に休むことも同じくらい大事だと、内田先生は教えてくれました。おかげで肩の力が抜けたのか、今ではぐっすり眠れる日々を過ごしています。

 

いろいろあったけど良い年でした。1年間お世話になりました。
来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
 

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2016年10月Vol.51 2016年12月16日

こんにちは、サクっと小噺のサクライです。最近TVアニメの「アルプスの少女ハイジ」(1974年放映)にハマって、レンタルDVDを楽しんでいます。実は義父に「ハイジにそっくり」と言われまして。「どこが似てるんだろう・・・」と興味を持って見始めたんです。
 ─ うん、確かに髪型と体型は似てます。服装もちょっと似てます。素直そうに見えて、意外と人の言う事を聞かないところも似てるかもしれません(うふふ・・・)。

 

 「アルプスの少女ハイジ」は、若いころの宮崎駿や高畑勲が作っています。いわばジブリの前身ですね。簡単にストーリーを説明すると、5才の女の子がアルプスの生活を通して、自然の尊さ恐ろしさ、人や動物との付き合い方を学んでいく、成長物語です。たとえば雪崩に巻き込まれそうになって、楽しい春が来る前には恐ろしい事も起こると知ります。たとえばヤギを甘やかして群れの統制がとれなくなって、優しいだけではダメだと知ります。たとえば盲目のおばあさんと付き合って、誰かの役に立つ喜びを知ります。子ども向けアニメだけど、いや、子ども向けアニメだからこそ、とっても深いんです。宮崎駿と高畑勲が、子ども達に何を伝えたかったのかハッキリ分かります。強く優しく育ってほしい・・・という、作り手の切実な願いがあります。

 

 ハイジに非日常は出てきません。ハイジは魔法も使えないし、変身もしないし、モンスターも捕まえません。逆に昨今のTVアニメはそういった非日常で溢れていて、すごく刺激的です。そして ─ 全部ではないのでしょうが大半からは  ─ 商魂を感じます。魔法のステッキ、変身の衣装、モンスターを捕まえるアイテムなど、TVと玩具とゲームが一体となって、子ども達の物欲を刺激します。しかもスピードが速い。ちょっと前まで最先端だったグッズが、すぐに古臭くなってしまうんです。これぞ高度資本主義社会。ビバ消費!まわれ経済!

 

 昨今のTVアニメを悪いというつもりはありません。アニメは日本が世界に誇るポップカルチャーです。TVアニメ経由で日本を好きになる外国人は沢山いて、彼らが日本に遊びに来たり、働きに来たりすることは、とても喜ばしいことです。ただ、子どもが主役の業界にも、「商売」がずいぶん幅を利かせるようになったんだなぁ・・・とは思います。

 

 お子さん、お孫さんがいる方、いないけどアニメが好きな方、興味があればぜひご覧になってみてください。
「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」が好きなら、たぶん「ハイジ」も好きですよ☆
 

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2016年9月Vol.50 2016年12月09日

チャオ! サクッと小噺のサクライです。先日ハネムーンでイタリアに行ってきました。

 

私は海外に行くとき、ちょっとだけでも単語を覚えていきます。
グラッツェ(ありがとう)やボナセーラ(こんばんは)のような挨拶から、ビリエット(切符)、プレノターレ(予約)、ウノ・ドゥエ・トレ・クワトロ・チンクエ(1・2・3・4・5)のような実用語まで・・・。単語を少しでも知っていると、そこから派生して、現地でよく使うフレーズが自然と身についてくるからです。

 

そして今回、1番よく使ったフレーズが“ドゥエ カッフェ ペルファボーレ”でした。意味は「エスプレッソを2つください」。イタリア人はしょっちゅうバール(喫茶店)に入ります。出勤途中で1杯、ランチの後で1杯、午後の休憩で1杯、帰宅途中で1杯―。主流はエスプレッソで、カウンターで立ったまま飲みます。そして不思議なことに、イタリアを歩いていると私もエスプレッソが飲みたくなるんですよねぇ・・・。だからしょっちゅう、
“ドゥエ カッフェ ペルファボーレ!”

 

さて、バールの利用方法は、スピーディー & フレンドリーです。
   入店 → 立ったまま注文 → バリスタがエスプレッソをトンッと置く → クッと一飲み → 去る
滞在時間は3分程度です。早い!! カウンターだとバリスタとも隣の客とも距離が近くなるので、自然と会話がはずみます。むしろ黙っていると気まずいです。
※バリスタ・・・コーヒーを淹れるプロ

 

ローマやフィレンツェやナポリでたくさんのバールに入りましたが、どこも立ち飲みでした。
たまにテーブル席もあるけどカウンターの方が人気です。そして驚いたことに・・・本を読んだり、勉強したり、スマホを触ったり、ノートパソコンを開いている人はまったく見かけませんでした! バールは、いろんな人が入れ替わり立ち代りやってきて、たまたま隣り合わせた人と短いおしゃべりを楽しむ場のようです。日本のカフェとは全然ちがいますね。

 

「お国柄だねぇ」と夫と話していて気づきました。イタリアではスターバックスを見かけません?!あわてて調べると、たしかに、イタリアにスタバはありませんでした。世界中で見かけるスタバなのに、エスプレッソ大国イタリアには無いんです。“立ったまま・クッと飲む・見知らぬ人とのトークを楽しむイタリアバール”と、“座って・ちびちび飲む・読書など自分の時間を大切にするスターバックス”では、ソリが合わないのかもしれません。

 

しかし2017年、ついにスターバックスのイタリア1号店がミラノに進出するそうです。ローマでお世話になったホテルのオーナーに「イタリアにスタバが来るんだって」と話しかけたら、「アメリカ人はスタバで勉強したり仕事したりするんだろう?イタリア人はそんなセコイ事しないから、スタバは根付かないと思うなぁ」と言われました(うっ・・・、私もよくスタバで長居しちゃう。セコイ?)。

 

私個人はスタバが好きです。しかし、イタリアが「バールは3分の社交空間であって、1人ゆっくりする空間ではない」という理念を貫くなら、それもカッコイイと思います。スターバックスイタリア1号店の行方が気になる今日この頃です。
 

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2016年8月Vol.49 2016年11月03日

こんにちは、サクッと小噺のサクライです。空が高く青くなってきて、気持ちが良いですね。
最近のサクライは芸術の秋!「同じ曲をちがう演奏者で聴く」事にハマっています。

 

同じ曲でも、演奏者がちがうとまったく違います。たとえば世界的なバイオリニストを比べてみましょう。
1人は若く、もう1人は中年。どちらも技術は甲乙つけがたいです。しかし、若者の方が勢いがあります。
圧倒されるかんじです。一方で中年のほうが深みがあります。包み込まれるかんじです。どちらが良いかは、これはもう好みの問題です。

 

演奏者が複数になるともっと面白くなります。オーケストラの国民性がバッチリ出るからです。どんなに悲壮な曲を演奏してもウィーン・フィルハーモニー(オーストリア)は優雅だし、どんなに賑やかな曲を演奏してもベルリン・フィルハーモニー(ドイツ)は真面目です。

 

そう言われても、普段クラシックは聴かないからよく分からないよ・・・という方に、ここでオススメの曲を紹介します。これを比べたらゼッタイ分かります。「シモンボリバル・ユース・オーケストラのマンボ」と「ベルリン・フィルのマンボ」です。

 

ドイツのベルリンに本拠を置くベルリン・フィルは、オーケストラとしてはサラブレッドです。ドイツはクラシック音楽を発展させていった国でもあります(バッハ、ベートーヴェン、ブラームスはドイツ出身)。ドイツは哲学の開拓者でもありますが、緻密な理論構成という意味では、哲学もクラシック音楽も同じなのでしょう・・・だからドイツが強いんですね。一方でシモンボリバルの本拠地は南米のベネズエラ。貧困と犯罪にあえぐストリートチルドレン更正のために設立されたオーケストラです。オーケストラとしては異端児です。

 

さて、「マンボ」は1957年のブロードウェイミュージカル「ウエストサイド物語」の曲です。ポーランド系アメリカ人とプエルトリコ系アメリカ人の不良グループの抗争を描いています。なにせ登場人物の大半は非行少年ですから、しょっちゅう喧嘩したりキレたりと困った人達なのですが、彼らの曲は痺れるほどカッコいいんです。その中でも「マンボ」は人気曲です。この曲には・・・ベルリン・フィルよりシモンボリバルの方が合いそうですよね?

 

シモンボリバルのマンボは激情に身を任せて演奏しているようです。各々が理性をぶっ飛ばしているので、合奏は決壊寸前!・・・でもギリギリのところで決壊しない。これぞウエストサイド物語の世界観です。一方で、ベルリン・フィルは緻密に計算して演奏しています。とても早い曲なのにまったく乱れない完璧な合奏。でも、シモンボリバルの後だとつまらなく感じます。

 

音楽には人間性が出るんですねぇ。とても面白いから、ぜひ聴き比べてみてください。短い曲だから簡単に済みますよ♪♪♪
 

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2016年7月Vol.48 2016年10月14日

こんにちは、サクライです。この前、パーソナルカラー診断というものを受けてきました。いろんな色の布を顔の下にあてて、自分が一番美しく見える色を探すんです。簡単な診断なら1時間で結果が出ます。

 

そもそもパーソナルカラーって?
パーソナルカラーとは、肌の色を基本に、髪の色、瞳の色、雰囲気まで加味して、自分に1番似合う色彩のことです。コレが分かれば、服やメイクやアクセサリーで悩まなくなります。便利だと思いませんか?  
以下、1時間で教わった話なので大雑把ではありますが・・・

 

パーソナルカラーは4タイプに分かれます(春夏秋冬)。まず、肌をイエローベースかブルーベースに分類します。イエローベースは黄色っぽい肌で、ブルーベースは白またはピンクがかった肌です。顔が分かりにくい時は手の平で診断してもOKです。手の平はかなりハッキリと黄色かピンクに分かれます。それでも分からない!という時は、何人かの手の平を比べてみましょう。比較すると分かりやすいですよ。

 

さて、イエローベースの場合。 肌はクリアorマット? 雰囲気はキュートorシック? 前者なら春、後者なら秋です。春の人は花壇にありそうな色が似合います。花や若草など、澄んだ明るい色です。秋の人は紅葉した葉のような色が似合います。落ち葉や枯草など、深みのある落ち着いた色です。春の人も秋の人も、アクセサリーはゴールドが映えます。

 

一方、ブルーベースの場合。 肌はクリアorマット? 雰囲気は爽やかorモダン? 前者なら夏、後者なら冬です。夏は真夏ではなく梅雨をイメージしてください。夏の人は紫陽花のような涼しげな色が似合います。
冬の人はハリウッド女優のような、いわゆるイイ女のイメージです。濁りのないハッキリした色が似合います。
夏の人も冬の人も、アクセサリーはシルバーが映えます。

 

講師の先生が例を教えてくれました。春は上戸彩さん、夏は広末涼子さん、秋は安室奈美恵さん、冬は深津絵里さん、だそうです。

 

私はひそかに冬っぽい女性に憧れていたのですが、診断は正反対の春でした。
「黒は似合いません、茶色にしてください。シルバーアクセサリーは似合いません、ゴールドにしてください」と言われてしまいました。
着たい色と似合う色は違うんですね・・・。アドバイス通りにしてみたら納得の結果だったので、私けっこう今までの服を捨てましたよ。そして、自分が春だと知ってから、買い物がとてもラクになりました。たとえば服を買うときに「う~ん、ブラックかブラウンかグレーか、どれにしようかな・・・」と迷うことありませんか?
でも私は春だと知ってからは迷わずブラウンを買えます。「せっかく買っても箪笥の肥にしてしまう事が多い」という方がいらっしゃれば、おススメですよ、パーソナルカラー診断!!
 

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2016年6月Vol.47 2016年09月20日

こんにちは、サクッと小噺のサクライです。暑いですね~。この時期はコンビニの100円コーヒーにお世話になる方も多いのではないでしょうか。お気に入りはありますか? セブン、ローソン、ファミマ・・・

 

コンビニの100円コーヒーといえば、知人のエピソードを思い出します。
おっちょこちょいのおじさんです(50代)。
彼はよくゴミ箱にぶつかって背中から引っくり返ったり、車のトランクに半身をつっこんだまま自分でトランクを閉めてケガをしたり、大変な人生を送っています。そんな彼がセブンイレブンで100円アイスコーヒーを買った時のお話です。

 

セブンイレブンでは、氷が入ったプラスチックカップが冷凍食品コーナーに並んでいます。それをレジへ持って行って100円を支払い、レジの横にあるコーヒーマシンでセルフサービスでコーヒーをいれます。
カップには氷がぎっしり入っているから、出てきたコーヒーはたちまち冷えて美味しいアイスコーヒーのできあがり、というわけです。

 

さておじさんは、「ミルクとガムシロップを開封している間にマシンに豆を挽いてもらおう」と考えました。
そこで、正しい位置にカップを置く前にマシンのボタンを押してしまったんです。そしたらもちろんチョロチョロとコーヒーが垂れてきます。鼻歌を歌いつつミルクを開けていた彼はビックリ仰天、慌ててカップを所定の位置に置こうとしますが、ヤケド防止のカバーがロックされていて開けられません。焦る彼の目の前で、チョロチョロと垂れ続けるコーヒー・・・。

 

「マシンの使い方の勉強代だったと思おう。」彼は気を取り直して、更に100円を払って、再チャレンジします。
正しい位置にコップを置いて、ボタンを押して、カバーの向こうでカップの中にコーヒーが溜まっていくのを眺めて満足気なおじさん。さて一杯分のコーヒーが溜まりました。彼はカバーを開けてカップを手に取ります。
ぐしゃっ……!!! あぁカップを握りつぶしてしまいました。コーヒーと氷が床に飛び散ります。
最初はカップにぎっしり詰まっていた氷も、彼がオロオロしている間にいくぶん溶けて、結果的にカップが柔らかくなっていた事が原因です。

 

「スミマセン、スミマセン!」 レジの人に謝りながら3度目の100円を支払います。
マシンの使い方も分かったし、適切な握り具合も分かったし、今度こそ立派なアイスコーヒーができました。300円で買った100円コーヒー…。
これだったら、スタバでお店の人にコーヒーをいれてもらう方が安かったかもしれません。

 

――実は、彼はある会社の営業部の部長です。「部長は何もしないで!私がやりますから!!-って、よく部下に心配されちゃうんだよねぇ」と笑っています。まぁこれも、1つのリーダーのあり方なのかな?

 

さて、こんなに暑いのもあと1ヶ月。アイスコーヒーでも飲んで一緒に乗り切りましょう!!
 

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2016年5月Vol.46 2016年08月02日

こんにちは、サクっと小噺のサクライです。先月はベールをあげたまま入場してしまった結婚式について書き
ましたが、今月はその続きを書きたいと思います。

 

結婚式は家族だけで行いました(参列者8名)。テーマは「お父さんお母さんありがとう」の1つだけです。
こだわったのはドレスよりも指輪よりも、料理と引き出物と両親への手紙。私と主人は感謝を込めて、ささやかながら温かい式を用意したつもりでした。しかし、式を感動的に仕上げたのは、私達ではなく家族の方でした。

 

私の両親が、中島みゆきさんの「糸」を演奏してくれたんです。
手作りの歌詞カードを配って、新郎側の家族も新郎新婦も巻き込んで、皆で合唱が始まりました。

 

なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない
いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない
どこにいたの 生きてきたの 遠い空の下 ふたつの物語

 

私と主人は共通の友人もいないし、出身も違うし、仕事での関わりもありません。あるカフェでたまたま隣に座った、それだけなのです。なぜ逢うのか、いつ逢うのか、想像もしていませんでした。中島みゆきさんの歌詞が心に沁みます。

 

私の両親は30年以上アマチュアオーケストラで演奏しているので、私も赤子の頃から二人が奏でる音を聴いて育ちました。留学中にホームシックにかかった時も、家族の写真を見るよりクラシック音楽を聴く方が落ち着くくらい、私の中で両親と音楽は結びついています。そんな両親の演奏は最大級の「おめでとう」に聞こえて・・・涙が止まりませんでした。両親への手紙で泣かせてやろうと意気込んでいたのに、むしろ私の方が泣かされてしまいました。

 

小さな式場で、父と母の演奏にのせて歌った「糸」は、今も心の奥底に残っています。
とても温かい、幸せな時間でした。

 

──さて。式のあとレストランの個室で会食を開いたのですが、私の母は食事中に寝ました。ウトウトではなく本気で寝ました。義父は「演奏が終わってほっとしたんだろう」と言っていましたが(そう思わなければ受け入れられないですよね)、私は知っています。演奏のあるなしに関わらず、母はいつも食べたら寝るんです。家でも外でも寝るんです。娘の結婚式でも、いつもどおり食べたから寝ただけです。う~ん、大物だなぁ。
 

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2016年4月Vol.45 2016年07月09日

こんにちは、サクライです。もうすぐ6月、ジューンブライド・・・と言っても、6月の結婚式が人気なのは梅雨の無い欧米だけで、日本では式は少ない季節だそうです。できれば雨は避けたいですものね。ところで、私は今年の1月に挙式したのですが、雨どころではないハプニングがありました。

 

花嫁のベールの意味をご存知ですか?ベールは「両親の保護」を表しているそうです。そしてベールアップする新郎の行為には「これからは僕がお守りしますよ」という決意が込められています。ベールはとても象徴的で大事なアイテムなんです。

 

さて、サクライの挙式開始。父と腕を組んで入場する時、私の頭の中は「右足で蹴っ飛ばして、両足そろえて、左足で蹴っ飛ばして、両足そろえて・・・」でいっぱいいっぱい。裾の長いウエディングドレスは普通に歩けないんです。一歩一歩、足を前に蹴り出しながら進みます。感動よりも行進に気をとられて・・・

 

あっっ? ? ! !ふいに気づきました。ベールがあがったままだ!
緊張のあまり、入場前にベールを下げるのを忘れました。私が忘れるのはともかく、式場スタッフが忘れるのはどうなんでしょうね。 ベールを上げたまま、ロボットダンスのように進む私・・・。ひきつった顔をむき出しにして、バージンロードを進む私・・・。「ベールを被っていない」=「両親に守られていない」のだとしたら、隣を歩んでいる父の意味って・・・? 式場スタッフのオオタさんに目でサインを送りますが、彼女は優しく微笑んでうなずくばかり。うなずいてる場合じゃないんだよ、オオタさん!

 

エスコートが父から新郎に移り、壇上に立って参列者の方へ向き直り、お辞儀・・・。この時点で気づいていたのは私一人だったようです。父も気づかず、新郎も気づかず、オオタさんも気づかず、せめて司会者が気づいてくれたら良かったのですが、司会者の立ち居地から新婦はほとんど見えません。司会者も台本通りにコトを進めます。
「それでは、今まで二人を隔てていたベールをあげていただきましょう。」

 

新郎はベールをあげようと両手を掲げて・・・ようやく彼も気づきます。彼の手はむなしく空をかく事しかできません。
ここで慌ててオオタさんがやってきて、ベールを下げてくれました。そして下げられたベールは、3秒もしないうちに新郎によって再びあげられました。ベールの存在意義、薄すぎ。

 

挙式後、私達は怒っていなかったのですが、オオタさんは謝ってくれました。「もしお嫌でなかったら、式のお写真をプレゼントさせてください。ただ、新婦様はベールをあげたまま入場しているお写真です・・・本当に申し訳ありません!!」もともと購入予定だった写真です(約6万円)。ありがたく受け取りました。

 

──  式の帰り道

 

旦 那「僕ら気にしてないのに、6万円もトクしちゃって、逆に申し訳なかったね」
サクライ「過ぎた事だから怒らなかっただけで、もし挙式前に“ベールをあげたまま入場したら6万円ディスカウント”と話を持ちかけられても、私は断ってるよ」
旦 那「・・・ごめん」

 

そんな会話で終わった、サクライの結婚式でした(苦笑)。
 

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2016年3月Vol.44 2016年06月15日

こんにちは、サクッと小噺のサクライです。弊社の新カタログ(Vol.30)はご覧いただけましたか?
ピンク、ブルー、イエロー、グリーン・・・鮮やかな色水を入れた紙コップが並んだ、とってもカラフルな表紙です。
手前味噌ですが可愛い表紙だと思います。でも今日は表紙ではなく、裏表紙の豆知識をお話します。

 

裏表紙の右上に蝶がいるので、ぜひチェックしてみてください。この蝶はオオカバマダラといって、環境にとても敏感です。自然豊かな土地でしか生きられません。実はこの蝶マークは「この印刷物は環境を配慮して作りました」という証なんです。

 

私達の経済活動はどうしても環境を汚染します。チラシを作るために木を切り、商品を作るために機械を動かし、商品を届けるためにトラックを走らせます。
でも、私達は自然に生かされています。自然を壊してしまったら、経済活動も何もあったものではありません。だからできるだけ環境に配慮した経済活動をしよう―そんな取り組みの一環がこの蝶マークなんです。

 

蝶マークの印刷物は「水なし印刷」という技術を使って作られています。一般的なオフセット印刷(平版印刷)は「水あり印刷」といって、大量の水を使います。水が油をはじく性質を利用してインクのつかない部分を版に作り出すことで印刷します。この方法では有害な化学物質を含んだ廃液が多く排出されます。

 

一方で、水あり印刷より新しい技術である「水なし印刷」は、水のかわりにシリコンを使います。インクを乗せ
たい部分だけ、シリコン層に穴をあけます。この穴の部分にインクが入り込んで、紙に転写されるんです。印刷物をよ~く見ると、この『穴』が分かります。たとえば弊社のカタログVol30表紙の「P.D.R.」という帯はグリーンです。でもよ~く見ると、小さなブルーの点々とイエローの点々でできています。これがシリコンの穴に入って紙に転写されたインクなんです。

 

水なし印刷は有害な廃液が出ないだけでなく、水あり印刷よりも色が綺麗に仕上がります。イイ事づくめだから全て水なし印刷に切り替わればいいのに―と思うのですが、印刷機を変えるのも大変で、水あり印刷よりも高価になりがちなので、世の中の主流はまだまだ水あり印刷だそうです。水なし印刷で刷られたカタログは貴重って事ですね!

 

そんなわけで、私達はささやかながら環境に配慮したくて水なし印刷を使っています。P.D.R.カタログに限らず蝶マークを見かけたら、「企業から環境へのちょっとした気遣いなんだなぁ」とあたたかい目で見ていただけると幸いです。
 

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